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呪い・祟り

モンタージュさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

大学の底地
長編 2026/04/01 12:57 307view

 途端に松原のことが頭をよぎって、鞄を開く。
 名簿。メール。写真。
 全部、なかった。最初からいなかったみたいに。

 背筋に寒気が走った。
「そんなわけ…」
 思わず声が漏れてしまい、隣に立っている学生がこちらを向く。

 バスを降りる。
 足が、少しだけ重かった。
 坂の方を見る。
 浅井の姿は見えなかった。
 講義中、内容は頭に入ってこなかった。
 ノートの端に、何度も同じ名前を書いていた。

 “松原 松原 松原”
 消えないように、なぞるみたいに。
________________________________________
 昼休み。
「松原ってさ」
 浅井が焦点の定まっていない目で口を開く
「松原?誰?」
 早川が首を傾げる。
 俺も誰のことを言っているのかわからない。
「そういえばこのキャンパスなくなるらしいな」
 早川が話を変えた。
「え!?マジで?」

「うん。ここ借地だから2年後には返さなきゃなんないんだって」
「2年ってすぐじゃん!」
「留年したら新キャンパス行けるな!」
 といつものノリで話していると、上の空の浅井が目に入る。
「おい、聞いてんのか?」
 早川がおどけると
「ん?うん。じゃあギリ俺らは卒業までこのキャンパスなんだな」
 無表情の浅井が答えた。
________________________________________
 午後の講義中ノートを開くと“松原”という文字が目に入った。
 確かに俺の字だけど書いた記憶がない。
 昼休みに浅井が言ってた名前だ。

3/5
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