大学を辞めてから、
俺はしばらく大阪の古いマンションで一人暮らしをしていた。
二十三歳。
コンビニ夜勤と日雇いを繰り返して、
どうにか生きていた頃だ。
住んでいたのは、
十三駅から少し離れた場所にある築四十年以上のボロマンション。
名前は「桜井ハイツ」。
五階建てで、
エレベーターはない。
外壁は黒ずみ、
廊下にはいつも湿った臭いが漂っていた。
家賃は二万八千円。
風呂なし。
共同トイレ。
それでも、
金のない俺にはありがたかった。
ただ、
妙な噂があった。
「四〇三号室には誰も長く住めない」
最初に聞いた時は笑った。
事故物件なんて、
今どき珍しくもない。
実際、
俺自身もそういうのは平気なタイプだった。
だが、
入居して三日目の夜。
俺は、
最初の“音”を聞いた。
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