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心霊

黒豆さんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

霊感の強い夫①
短編 2026/06/12 17:16 81view

数年前のゴールデンウィークに、夫と北関東のある観光地へ旅行した時の事です。

連休中ということもあり、どこも賑わっていました。

私たちは日中、道の駅やアウトレットモールを見て回り、夕暮れ近くに宿へ着きました。

フロントでチェックインを済ませ、天井の低い廊下を抜け、じゅうたん敷きの階段を上がって部屋へ行きました。

夫はその日、少しお腹の調子が悪かったらしく、部屋に着くなりトイレへ直行しました。

私は少し大丈夫かなと思いつつも、窓から景色を眺めたあと、ベッドの真ん中に正座して、携帯で今日撮った写真を見返したりしていました。

しばらくして、手を洗う音がやみ、そろそろ出てくるなと思ったその時、

「うわっ」

と声がしたので顔を上げると、

苦い顔をした夫が立っていて、無言で手招きしていました。

私がベッドから下りて近づくと、今度は外へ出るよう手で合図しました。

そして一緒に部屋を出ると、夫はそっとドアを閉めたとたん、ずんずん歩きだしました。

「どうしたの」と声をかけましたが、「うん」とだけ言い、早歩きで進んでいきました。

何か見えたのだろうとは思いましたが、その時はそれ以上聞かず、私も黙ってあとを追い、階段を下りました。

そしてフロントへ戻ると、夫は受付の人に何か話し、そのまま部屋を代えてもらいました。

新しい部屋に移ってから話を聞くと、

三十人ほどの焼け焦げた人々がベッドをぐるりと囲み、私をのぞき込んでいたそうです。

ダブルからツインにはなりましたが、妙にあっさり部屋を代えてくれたことを思うと、何かあった場所だったのかもしれません。

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