俺の更なる質問に彼は続ける。
「年は30くらいかなあ。
仕事熱心で真面目な感じの人だったよ。
ただ、、、」
「ただ?」
「性癖というかなあ、おかしな癖があったんだよ。」
「おかしな癖?」
「笑うんだよ。
いや別にただ笑うだけなら問題ないんだがな、ここで笑うか?というな場面でケタケタと笑うんだ。」
「例えば?」
「実は俺がいる部屋は二人部屋で今は俺が1人だけなんだけどな、始めのうちはもう1人いたんだ。
80過ぎのじいさんでな、
もう骨と皮だけという状態で鼻とか胸とかお腹とかにいっぱいチューブや器具が挿されててな、話すのもやっとという感じだったな。
それである晩のことなんだけどな。
件の看護師がじいさんの検温に来た時のことなんだが、突然ケタケタ笑いだしたんだ。
度肝を抜かれた俺は、ただ唖然としながら眺めていたよ。
そしてその数日後なんだけどな。
じいさん深夜に咳き込んで、亡くなられた。
そして医師とともに臨終の立ち会いをしていたのがその看護師だったんだけどな、険しい顔で患者を見詰めている医師の横で、さも可笑しそうにケタケタ笑ってたんだよ」
「臨終の場で!?
それはダメでしょ」
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 24票

























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。