やがて、10円玉がツツーっとゆっくり『はい』の方へ向かう。
「ん?」朽屋は窓からよどんだ空気が流れ込んできているのを感じていた。
「ほら見て転校生、来てるよ?」と、生徒の一人が朽屋に10円玉の動きを見せる。
「違う・・・何かよくないものが・・・何か、変なのが窓のところにいる!!」
朽屋は不気味な姿の霊を窓の外に目撃した。
青白い顔で、まるで木の皮のように全身がひび割れているように見える。
「えぇ?こっくりさんじゃないの?」少女たちにその姿は見えない。
少しだけ開けておいた窓から強い風が教室内に吹き込んでくる。
「きゃあ!!」
風が教室内を渦巻いている。
五十音表が風に当たってビリビリ音をさせる。
三人が指を置いた10円玉がグルグルと動きはじめた。
「これ、どうなってんの?勝手にどんどん動くぅ!!」
「こ・・・ろ・・・す・・・こ・・・ろ・・・す・・・」
「殺すだって!・・・ストップストップ!!」
「こっくりさん、こっくりさん、お戻りください!」
「こっくりさん、こっくりさん、お戻りください!」
「こっくりさん、こっくりさん、お戻りください!」
3人はこっくりさんに帰ってもらおうとした。だが、10円玉は動きまくる。
こ・・・ろ・・・す・・・こ・・・ろ・・・す・・・
「うわぁぁ、どうしよう、止まらない!!」慌て出す生徒。
朽屋は掃除用具入れまで走ると、中から1本、自由ホウキを取り出した。
長い柄の先にブラシがついている、ほとんど学校でしか見かけないあのホウキだ。
それをくるくると器用に回しながら戻ってくる。
「みんな、こっちに逃げて」朽屋が呼ぶ。
「でも途中で指を離したら、呪われちゃう!」
「もうそれは壊れちゃってるよ! いいから早くこっちに来て!」
朽屋の呼びかけに、急いで席を立って逃げ出す3人。
3人とも朽屋の背中に回る。
真っ赤な目を光らせて、歯をがちがち鳴らしながら悪霊が窓から入って朽屋たちに近づいてくる。悪霊の後ろにはドス黒い渦ができており、闇の世界に吸い込まれそうな雰囲気だ。
























kanaです。
自分で書いてて一番楽しい、朽屋瑠子シリーズです。
今回は小学校編ということで、ロリっ子朽屋の活躍にご期待ください。
尚、今回のお話は、以前こちらに投稿させていただいた「理科室の人体模型 VS チーム悪ガキ」というお話と、「【short_10】用務員のおじさん」のお話の解決編となっています。
あと、わかる人にはわかると思うんですが、ラストの戦闘シーンは某ネットミームを参考にさせていただいてます。わかる人は吹き出しちゃうかも。
それでは、ちょっと長いですけど、お楽しみください。
kanaです。さっそくなのですが、一部修正を入れました。
というのも楔形のカッコで音や擬音を表現していた部分があったのですが、
奇々怪々さんではなぜかこの楔形カッコで囲った文字は表記されないという仕様になっており、
そこだけ文字が消えていました。
まだ見落としがあるかもしれません。もし、おかしな部分を発見した方はご報告よろしくお願いします。
一気に読んでしまいました、瑠子シリーズ大好き☆
最高〜でした♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪いつもですけどwニンニンも小学生からの知り合いだったんですね(伏線回収?)次作楽しみに待っております♪♪♪
kanaです。↑コメントありがとうございます。楽しんでいただいて何よりです。
ニンニンは瑠子の1学年上の先輩でした。ボクの中の設定上では、この後ニンニンは瑠子に「同じ中学に行こうよ」と誘うのですが、瑠子はもうK女中等部に行くことが決まっていたので、ここで一旦お別れとなりますが、瑠子は高校に入る前に組織で保護されるので、そこで再開します。
ちなみにですが、瑠子が進学するK女学園にはモデルがあり、実はボクもびっくりしたんですが、そのモデル校がネットミームになってることが判明しました。グーグルストリートビューのカメラに向かって変なカッコで映る女子生徒3人の画像知ってますか? あの生徒たちの学校がK女のモデルです。
今回もクッチャルコ面白すぎました( ;∀;)このシリーズで小説出してほしいくらいです、、!!!
kanaさんの作品が一番大好きでいつも楽しく読ませてもらってます!!これからもお体に気を付けながら最高の作品を作り続けてください( ゚Д゚)