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呪い・祟り

kanaさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

ドリームボックス3.0
長編 2025/02/01 17:02 355view

※注意 この作品では動物への虐待や殺害シーンも含まれていますので、そのようなシーンに耐えられない方は、ここでブラウザバックしてください。

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深夜の山中に、けたたましい叫び声が響き渡る。
それは死を目前にしたものの筆舌に尽くしがたい恐怖の叫びだった。

真っ暗なはずの山中に、一か所だけ煌々とサーチライトで照らされた場所があった。
そこへ向かってトラックがひっきりなしに走り、ショベルカーのディーゼルエンジンが唸り、それと共に激しく排気ガスが噴出される。

その周りには防護服を着た人間たちがなにをするでもなく棒立ちしている。
女だろうか・・・自分が見ている風景に精神の限界を超えたのか、泣き喚いている。

彼らの眼前には深く掘られた大きな穴があり、そこに大量の豚を生きたまま放り込んでいた。
最初は何が何やら状況が判らず困惑する豚たちだったが、次から次と終わりなく投げ込まれる豚で穴はすぐにいっぱいになり、先に落ちた豚たちは上から落ちてくる豚の下敷きになり押しつぶされていく。子豚はもうとっくに踏みつぶされている。その状況にやっと気づいた豚たちが、半狂乱で泣きわめく。・・・そんなことがもう朝からずっと続いていた。

雪がチラチラと舞いはじめた山中で、そこだけが激しく湯気を立てていた。
押しつぶされる豚たちの体温のせいだ。死体ではなく、生き埋めだからこそ発生する水蒸気である。その様子を見ていると豚の体が裸の人体にも見えてくる。叫び声は、まるで人間が出す断末魔のようにも聞こえる。豚も人間も虐殺されるときは何も変わらないのだ。
この世の地獄が、まさにそこにあった。

韓国で発生した家畜伝染病の口蹄疫により、韓国政府は非常事態を宣言。家畜の移動の禁止と、感染疑いのある豚の殺処分が行われた。その方法が生き埋めだった。

韓国内にもこのニュースは流れたが、もちろんテレビの画面にこんな地獄絵図が乗ることもなく、一般市民は豚肉の高騰を心配して、早く中国から輸入しろと政府に文句を言った。

「なぁに、サムギョプサルが食べられなかったら、ポシンタンを食べればいいさ」

そんな声も聞かれた。ポシンタン(補身湯)とは、犬肉を使った朝鮮半島の伝統料理だ。
我々からすると犬肉を食べるというと、眉をひそめたくもなるが、犬食はアジアを中心に広く食べられている食材でもあり、古くは日本でも食べられていた時代があった。

韓国でも近年は犬をペットとして愛玩する人も増え、ソウルオリンピックやサッカーワールドカップなどの世界的イベントがあるたびに、国際世論を相手に犬食文化を禁止しようとする動きが見られ、一部ニュースなどでは犬肉市場が廃止され、犬食は禁止された・・・かのような記事も出たことがあったのだが、2024年時点でも実態として普通に犬肉は売られ、食されている。ただし「食は文化である。」この一点において、批判されるべきものではないだろう。

問題があるとしたら、それは屠殺の仕方にあるのかもしれない。

韓国にはこのような言葉がある。

「恐怖を与え、苦しめて殺した方が肉がうまくなる」・・・。

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日本から韓国へ渡るフェリーが港へ入るなり積載するトラックから炎上する事件があった。
トラックには過酸化水素水などの化学薬品が積まれていたといい、船は結局10時間も燃え続け、灰となった。

火災は接岸後であったため、運よく乗客らは逃げおおせ、人的被害は出なかった。
が、大勢の人間が一度に避難したことにより、港は一時パニック状態となっていた。
だから、トラックが積まれていた貨物室から1匹の白い犬が逃げ出していたことに、誰も気付く余裕はなかった。犬は駆け出し、どこかへ消えてしまった。

日本国内では犬に関する「とある事件」が発生していた。
逮捕された連続殺人犯が「悪魔の血を受け継ぐ」と噂の犬を海外から輸入し、育てたと手記の中で吐露した。彼はその黒い犬の希望を叶えるために殺人を犯していたのだと言う。

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