「あたし、死神、なんだよね」
Cがポツリと呟く。
今から5年ほど前。
会社の同僚達と、私の部屋で飲み会を行なった。
明日が休みということもあって、それぞれが大いに飲んで皆つぶれていた。
目の前にいたCもテーブルに突っ伏している。
「なに、どういうこと?」
アルコールでおぼろげな視界の中、私が質問する。
「小学生の時。仲が良かった子が2人立て続けに死んだ」
突っ伏したままなのでCの表情は見えない。
「教室であいつ……山田が、私のこと『死神だ』って。偶然聞いた。ふざけんなよな」
山田?クラスメイトだろうか。
「本気でムカついた。死んだその子達のことも馬鹿にされてるみたいで。だから、ほんとになってやろうと思ったの。死神に」
「殺そうって思ったってこと?」
Cの手がテーブルでさまよう。水を欲しているのだと気づいて、そばにあったグラスを近づけてやる。
Cは顔を起こして、グラスの水を飲み干す。
半分寝てるようなぼんやりした顔だ。
「死神は殺さない」
ふう、とCが息をつく。
私とC以外は横になって寝息を立てていた。
「殺したら、ただの殺人。死神は相手に死を近づける」
「それは、どう違うの?直接手を下さずに殺すってこと?」
上体を逸らすような格好で、赤ら顔のCが天井を見つめながら続ける。
「まず、山田を知ろうと思った。ただのクラスメイトだったから。だから、『私は山田のことが好き』ってことにして、家族構成とか友人関係とか……とにかく聞いて回った。
みんな恋バナ好きだしすぐに集まってきたよ。まあ、そんなことしてたから、山田の耳にも届いたみたい。明らかにあたしのこと意識してたし」
ククッと、Cが乾いた笑いを漏らす。
「だから、告ってやった。あいつがあたしのこと『死神』って言ってたことなんて、まるで知らないふりして。そしたらあいつ、『別にいいよ』だって」
「あたしさ、その頃めっちゃ引っ込み思案で、影も薄くて。人に告るなんて出来るキャラじゃなかったわけ。でも、『自分は死神なんだ』って、『こいつを殺すために全部やってるんだ』って思ったら、不思議と大胆に行動できたんだよね」
懐かしむような、遠い目をする。
「その、山田とはそれからどうなったの?」


























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