会社の食堂で定時後にお酒を提供するサービスが開始された。
それを口実に、課内のメンバで懇親会でもしましょうと言う話になった。
仕事の話は抜きにして、思い思いの話しに花を咲かせ、宴もたけなわ。
ほろ酔いで自分のフロアに戻る。
流石に飲酒後に仕事をする訳にもいかず、帰る前にトイレに寄る事にした。
いつも利用しているフロアのトイレ。
掃除も行き届いており、綺麗なのがありがたい。
右手に小便器、左手に個室が並ぶ。
1番奥、4番目の個室をいつも利用している。
落ち着く……
用を済ませ手を洗いながら正面の鏡を見やると、ほろよい顔の自分が映る。
あまり赤くはならないが、眠そうな顔だ。
ほろ酔いの自分以外は見慣れたトイレの風景。
ではなかった。
微かに感じる違和感。
後ろを振り返る。
鏡を見る。
酔った頭で違和感の原因を探る。
振り返る。
1、2、3、4。
鏡を見る。
1、2、3、4、5。
視線を何往復かさせ、間違い探しが完了した。
個室が1つ多いのだ。
振り返るといつも通り4つ。
でも、鏡の中では5つ。
そんなに飲んではいないので、酔いのせいにはしたくない。
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けつこうこわいな