流れてきた写真
投稿者:夕暮怪雨 (11)
これは私が怪談仲間であるOから聞いた話だ。私が無類の怪談好きで文章を書くために日々怪談をかき集めてる事をOは知ると、中学の頃に一緒のクラスだった女子のHさんという方の話してきた。
中学2年の頃。
Oの母校には夏休みに自然教室という行事があった。ある地方へ自然を学ぶと言う名目で数日間拘束され、主なイベントとしては川遊びやBBQ、キャンプファイヤーなど言ってみれば林間学校の様な行事だったそうだ。
それは自由時間の時の事だ。
BBQの施設の側に川があった。
川底は浅く非常に流れは緩やかで皆で水遊びするには絶好の場所だ。
BBQ班が一緒だったOとHさんも他のメンバーと共に水遊びをしていると川から一枚の写真が流れてきた。上流からだろうか?
いち早く写真に気付いたのはOであったが、
手に取ったのはHさんだった。
手に取った写真を皆で見ると、当然ながら全く知りもしないアップの中年女性が映っていた。喪服のような服装で背景は真っ白で何もない壁しか見えない。中年女性が胸元に紙のような物を掲げており、何か文字が記されている。一斉にその文字に目をやった。その瞬間皆の空気は一気に凍りつく。
「この写真を拾った奴は首を吊って死にます」
このような文字が記されている。
Hさんは悲鳴をあげながら、その薄気味悪い写真を投げ捨てた。写真はそのまま川の流れに沿って下流へ向かったそうだ。Oはとんでもないものを見つけてしまったと思い彼女に対し申し訳ない気持ちになった。その後は皆口数が少なくなりメインのキャンプファイアーも散々なものとなったそうだ。
しばらくはあの写真の事が気にはなったが、特に何も起こらず時が経つにつれあの出来事についても忘れた。拾ったHさん本人も変わりなく過ごしていた。そして中学校卒業と同時に顔を合わさなくなった。けれども女子同士とはそれ以降もやり取りはあったそうで、社会人後もHさんの元気な近況などは聞いていたそうだ。
しかし2年ほど前にある一報があった。
それは学生時代の同級生からだった。
久しぶりの連絡に思わず興奮したが、同級生の言葉にその興奮もすぐ冷めた。それは「Hが自殺した」と言う言葉だった。
理由を詳しく聞くと社会人になってから鬱に悩まされ休職していたとの話だった。Oはその瞬間忘れていた記憶が鮮明に蘇ったが、あの写真は偶然で関係なかったのだろうと自分に言い聞かせた。しかし次の同級生の言葉に全てを捻じ曲げられる事になる。
同級生の話では、自宅の自室で首を吊っていた所を家族が見つけたが既に手遅れだったそうだ。そして全てを終え、彼女の遺品を整理していると机の中から写真が1枚だけ入っていた。それは古く色褪せ、中年女性が喪服姿で紙を掲げている写真だった。その持ってる紙には「この写真を拾った奴は首を吊って死にました」と書かれていた。
聞いた話ではOが見た文字と明らかに違う。
同じ写真なのか??それとも別の写真なのか?
しかし同じであろうとなかろうと何故Hさんが持っているのか?Oには結局最後まで分からなかった。しかしOは未だに自責の念に駆られている。あの時、自分が川で写真を見つけなければHさんは自殺しなかったのではと。そう虚な目で私に話した。
なにこれ!? めっちゃコエー!!
怖すぎる
怖すぎる・・・。文章の書き方が上手い!!!
不思議な話ですね。
一体、喪服姿の女性は何者なのか?
誰がその写真を送りつけたのか?
その辺がミソですね。
書き慣れていて、文才が有りますね。
昔話桃太郎の怖いバージョンですね。
凄い怖かったです(´゚ω゚`)