【赤騎士事件】-事件記者 朽屋 瑠子-
投稿者:kana (210)
組長らしきお爺さんが割って入る。「なに、取って食っちまおうって事じゃないんだ。こちらのクッチャさんと二人で話がしたいだけなのさ。心配いらねぇよ」
朽屋もそれに応える「大丈夫。デスクは戻ってて。小指が必要になった時だけ呼ぶから」
「そ、それじゃあ私は一旦失礼いたします・・・」緊張しながら部屋を出る三上。
「なんだい?クッチャさん、その小指が必要になったらって」
「えぇ、デスクったら私が何かやらかしたんじゃないかって、で、もしも指を詰めるようなことになったらオレが代わりに小指を差し出すって言うもんですから(笑)」
「ほぅ、顔に似合わず豪儀な男じゃねーか、わっはっは!」
「わっはっはっ」後から全員が笑い出す。
それをドアの外から立ち聞きして目を白黒させて脂汗を流すヴィンセント三上。
(クッチャルコ~~~!!)
組長が語りだす。
「実は1週間ほど前なんだが、ガキの頃から一緒に遊んでた旧友から電話があってな、
不思議な話をいろいろ聞いたのさ。ほら、〇〇駅の横で蕎麦屋の屋台を出してる男さ」
朽屋はおどろいた「ああ~~~~蕎麦屋のオジサン!お友達だったんですか?」
「あぁ、友達っていってもな、アイツはカタギ、こっちは極道だ。・・・で、アイツの屋台には幽霊が出るってんで、何をバカなことを言ってるんだと思ってたんだが・・・あんた、その件を解決したらしいじゃないか」
「えぇ、そんなこともありましたね」
「で・・・幽霊なんてもんは本当にいるのかい?クッチャさんよ」
「えぇ、いますね。なんなら妖怪だの悪魔だの、あれも作り話じゃないんですよ。
まぁ・・・作り話も多いですけどね」
「ほぅ・・・なにか証拠みたいなものは出せたりするんかい?」
「証拠・・・証拠ですか・・・たとえば、ここにいる7人の方が今まで何人の人を殺してきたか、挙げてみましょうか?」
「ほぅ・・・」組長がニヤリとした。
「組長さん、3人やってますね、若い頃に。お隣のお二人も一人ずつやってますね。他の方は、やってなさそうですけど・・・後ろのジャージの彼は・・・まだ若いのにもう5人やってますよね。プロですか?」
静まり返る応接室。どうやら図星らしい。
朽屋の後ろに立っていたスーツの若い衆が懐から拳銃を取り出し、
朽屋の頭に銃口をピタっと突きつけた。
「どうします組長、この女、知っちゃいけないことまで見えてるようですけど」
しばし考え込む組長。
「どうせ弾入ってないんでしょ?それ」銃の男に問う朽屋。
「試してみるか?」カチカチっと音がする。ハンマーを引き起こす音だ。
「ぷっ、あはは」笑う朽屋。
kamaです。朽屋瑠子シリーズ第11作目は、対バルベリト戦です。
今回は登場人物も多いですが、個性ある人たちが多いので好きになっていただけたらいいなーと思います。尚、ネタバレですが、文中8pでヤクザの事務所が「渋谷区ショウトウ3ノ2ノ5」となっていますが、これはもちろん架空の住所で、知ってる人は知っていると思うのですが、1992年に公開されたウッチャンナンチャンの主演映画「七人のオタク-カルトセブン-」で、主人公の南原さんが無線オタクをつかまえるための罠として流し続けた謎の暗号「・・渋谷区ショウトウ3ノ2ノ5・・渋谷区ショウトウ3ノ2ノ5・・」というのが元となっております。今回のお話では渋谷区を舞台にしたかったためです。ラストも朽屋がキルビルやってる姿を想像しなから読まれると、楽しさ倍増かと思います。ロマンホラーということで、お楽しみください。
面白かったです。一気に読みました。
今回も面白かったです
このサイトの他の作者の作品も、朽屋瑠子にかかれば全てハッピーエンドになるのに!
↑kamaです。コメントありがとうございます。19ページもあるのに一気読みしていただいてありがとうございます。感謝!!
個人的に朽屋瑠子シリーズをおもしろいと言ってもらえるのが一番うれしいです。自分で読んでて一番おもしろい作品ですからw
今朝も会社に行く前に「どこか間違いはないかな~と読んでたら、途中からおもしろくなってきて止まらなくなり、あやうく遅刻するとこでした。フ~アブナイ~~
瑠子シリーズ今回もドキドキしながらも楽しく読ませて戴きました。九郎ちゃんと瑠子のバディ、今後が楽しみです。
読んでいるうちに目が冴えてしまい寝不足です。
今回のも面白かったですよ。
でも、組長が死ぬなんて😭
気になるのは九郎が朽屋の体を拭いてるときに赤ちゃんみたいって笑うとこがあるんですが、えっ、朽屋の体にベビーなところがあるってことですか?!
↑kamaです。コメントありがとうございます。
ドキドキしながらみていただいて、本当に感謝です。
寝不足にして、スイマセン!楽しんでいただければ本望です。
朽屋の裸で赤ちゃんみたいなところ・・・たぶん、肌ですかね?わかりませんが。
・・・組長と桐原が死ぬのは、実は僕も葛藤がありました。なにも殺さなくてもいいんじゃないかと。逆にここでニンニンを死なせてしまおうかなとも思っていました。
でも、ニンニンが死ぬと呼び出した朽屋の責任問題にも発展しそうだし、明るく終われない気がしたのでニンニンは生かしました。組長と桐原さんももったいなかったですが、彼らはやはりヤクザですから、極道には極道の道があります。死んで花実が咲くというか。実際彼らは作品内で人殺しをしたと語っていますから、作品を読んだ人の中には人を殺したやつがなぜ生きながらえているのかと反社に対して嫌悪感を抱く方もいると思います。だからこのような結末が似合いだったのかな、と思います。問題は九郎ですね。彼(彼女)は本編内で5人殺してると言ってます。なのに最後は明るく朽屋と仲間になりそうな雰囲気ですが・・・果たして殺人を犯しているキャラが普通に受け入れられるのか・・・というのは非常に難しい部分もあると思います。ボクの作品の作り方からすると・・・九郎も組長と同じようにどこかで死ぬ運命にあるのか・・・あるいはこの呪縛を説くために、九郎は実は殺しなんかやってなかったという設定を用意するか? 子供時代からの洗脳で心神喪失状態だった?
さてどうなるでしょうか。本文内では自分の死をいとわない行動が目に付く九郎ですから、これから先も死線に最も近いキャラとして登場していくかもしれないですねぇ。・・・先の事は判りませんね。