だがその楽しい時間もそう長くはつづかなかった。
涼の母親がやってきたのだ。
涼はそれほど霊力が強い方ではない。
母親が現れ、現実世界へ気が向いた途端、もうより子の姿は見えなくなっていた。
母親に手を引かれて去ろうとする涼に、より子はもう一度だけキスをしてお別れした。
振り向く彼の眼にはもうより子は見えなくなっていた。
もう少しだけ、彼の姿を追いたい・・・教会の扉の所に立ち、彼が去って行くのをしばらく
見つめるより子。
「うわー、かっけぇぇぇぇ!アントニオ猪木のブロンズ像だ!!」
大きな声のする方を見ると、朽屋だ。朽屋瑠子がバザーに紛れて何か物色していた。
「いやでも3000円は高すぎるよ~~バザーだろぉぉぉぉ」
もう完全にうるさい。
「ちょっと~、ルコちゃん~そんなに騒いじゃダメよ!」
「あっ、天使ちゃん・・・ん?今日はとっても嬉しそうな顔してるね」
「もうっ!・・・ほんとに?・・・あのね、ルコちゃん・・・わたしネ・・・」
「うん?ナニナニ?」
「私、より子って言うの。今日からより子なの。よろしくね!」
「えっ?へぇ~」(たしか昨日テレビでやってた映画のヒロインがより子だったな・・・)
「イ、イイ名前だね」
「でしょでしょ~」
「苗字は?」
「えっ?」
「苗字・・・例えばホラ、私ならクチヤが苗字だけど」
「えっ、えーと、えーと・・・
キ・・・キスミ・・・貴澄より子・・・(///▽///)かあぁぁぁ」
「えっ・・・イキナリ?? もう、しょうがないなぁ・・・ムチュ~~」
(より子のほっぺにキスをする朽屋)
「ななな、なにーー(///▽///)ぷしゅ~」
「あっ、キスミって苗字か~~あはは・・・ねぇ、なんか暑いよ、11月だっていうのに!」
kamaです。先ほど投稿させていただいた「より子ちゃん」の裏で起きていた一大事件を書かせていただきました。まず先に「より子ちゃん」を読まれてからこちらを読むと、面白さも倍増かと思います。
またこの「朽屋瑠子」シリーズも今回で4作目となりますので、合わせて他の朽屋瑠子シリーズも読まれると世界観が広がると思います。
あと、今回27ページもの大長編となってしまいました。頑張って読んでくれた方、ありがとうございます。・・・これだと誰も怪談朗読してくれないだろうから、そのうち自分でやろうかな・・・と思ってます。
まるで吸い込まれるような感じで、最後まで拝読させて戴きました。続きを早く読みたいです。
↑kamaです。27ページもあるのに読んでいただき感謝です。
朽屋瑠子シリーズは今後、短編をいくつか出しつつ、たまに長編みたいな、そんな感じで出して行こうと思ってます。
kamaです。
涼君が押し入れの鉱石採集セットを見つけてより子ちゃんに再開するシーンに、
『ローズクウォーツが抜け落ちた鉱石採集セットのように、
涼の心にもぽっかりと隙間が空いているようだった。』
という一文を追加させてもらいました。
・・・詩的でしょ?
まさに、涼君の鉱石セットのくだりがホロリと来ました。短編物も拝読させて戴きましたが、瑠子シリーズはスリルがあっていつまでも読みたくなります。
↑kamaです。ありがとうございます。どこかホロリとくるシーンがあるのって、いいですよね。怪談は怖い話ばかりじゃないと思いますし。
奇々怪々に「怖いボタン」以外も欲しいです~。
また楽しみにしていてくださいね。
ボクはより子ちゃんが泥だらけになっても涼君を追いかけるとこでホロリと来ました。
より子ちゃん単独の話だけ見ていると、子供の誕生日になぜ教会から出られないより子ちゃんが家まで来たのかわからなかったけど、これでつながりました。
↑kamaです。ありがとうございます。朽屋瑠子シリーズは、ボクの作品の裏で起きてる解決編みたいな構成で、オムニバス的に楽しめるようにしてます。これからもよろしくお願いします。
今まで投稿話の中で27ページという最長の話を投稿されたkama先生お疲れ様です。ところで今回の話も場合によっては改稿などで短くなるでしょうか?
↑kamaです。ありがとうございます。改稿の可能性は無いとは言えませんが、今のところは「やり切った感」が強いので、あったとしてもたぶん1年後とか、あるいは改稿しないか・・・という感じです。そうですね・・・やるとしたら戦争の歴史を説明している部分をもう少しはしょるとか・・・ですかね。でもあの部分もより子ちゃん親子がいかにして生涯を閉じたかの部分なのでバックボーンとしては残しておきたい気もしますし。まぁとりあえず今は次の作品を出すことの方を優先したいと思ってます。ありがとうございます。
色々な方の長編作品を読んでいた際にkana様のクッチャルコシリーズを見つけ、初投稿から読ませていただいているのですがこの話で先に読んでいた作品と繋がってとてもテンション上がりました…!!
本当に楽しく読ませていただいてます!!ファンです!!!