自殺への誘い_(加筆修正版)
投稿者:kana (210)
さっそくネットで検索してみると、歩いて5分の所にあるS大学病院に心療内科があることがわかり、とにかく行ってみようと、着替えて外に出ました。もう7時になっており、病院は開いてる時間です。藁にもすがる思いで重たい体を引きずりながら、病院の受付の前に立ちました。
しかし自分の症状を何と言って説明してよいかわからず、とりあえず当たり障りなく
「不眠症なので見てもらいたい」とごまかしました。
大病院で、予約も取らずに行ったものだから、そこから待たされる待たされる。
会社にも休むと電話して、待合室でぐったりと横になっていました。
実際に診察室に通されたのが11時ごろです。でも、それでも早い方だと思います。
たぶん、ぐったりと横になっている自分を見かねて、先にしてくれたのでしょう。
診察室では女医さんにまずお礼を言われました。
「敷居の高い心療内科によく来ていただきました」と。
病院でお礼を言われたのはこれが初めてでした。
そこからはアンケートをはじめ、昨晩から起きた蜘蛛の事、今朝の歯のこと、自殺願望などすべてを話しました。
不思議なことに自分が体験したこの話を誰かに聞いてもらっているというその事実だけで
気持ちがどんどん軽くなってきました。
そして女医さんは「おそらくパニック障害でしょう」と診断してくれました。
「パニック障害?」
この時、ものすごく気持ちが晴れ晴れとしました。
自分は「パニック障害」だと判明したことが何かを解放してくれたかのような気持ちにさせられました。人は何か得体のしれないものが一番恐ろしいのです。
だから、病名が判明しただけでも、心がすっと軽くなれるのです。不思議なものです。
その後は血液検査(たぶん薬物検査)もされ、パキシル、マイスリー、ソラナックス等の薬を処方され、帰ってすぐそれらを飲み、寝ました。
そうそう、その前に近所の歯医者にも緊急で立ち寄り、高さが違う歯も削ってもらいました。
このようにしてボクの恐怖の一日は過ぎたのですが、そこからこの通院は延べ5年間にもなりました。すぐに症状が治るわけではなく、日々薬で落ち着かせながら治療していくのです。
しばらくの間は、鉄塔などの高いものを見ると「ああ、あそこから飛び降りたらどんなに気持ちいいだろう」と、ワクワクする自分を抑える日々が続きました。
通勤電車の窓から高い鉄塔を見るたび、飛び降りたい衝動にかられていたのです。
例の蜘蛛の幻覚もそれから二度見ました。
・・・が、おもしろいことにだんだん小さくなって行くのです。
最初は顔よりデカイ巨大蜘蛛、
二回目は普通のタランチュラほどの大きさ、
そして三度目はジョロウグモほどの大きさでした。
蜘蛛が小さくなるほど、病状は軽くなって行きました。
問題なのは、小さくなった蜘蛛の方がより現実的にリアルで怖いところなのですが・・・。
kamaです。
このお話は100%実話ですね。心霊じゃない・・・と思いたいですが、
精神の世界は不思議で、とても貴重な体験をしたと思っています。
とくに自分はピンポン玉くらいの存在で・・・という体験は貴重でした。
あと、文章内では5年通院となっていますが、その後10年、20年にわたってぶり返しそうになったり、悪化して発作寸前まで行った時もありましたので、この症状は一生つきまとうものなんだろうな、とあきらめている部分があります。今は薬は飲んでいませんが、今でもお守り代わりに持っています。新時代のお守りです。
先生の過去は凄まじいものがありますね。よく考えたら誰しも起こり得るから怖い。
↑kamaです。コメントありがとうございます。
そうですね、体験はしないに越したことはありませんけど・・・
パニック障害って良く聞くし、どうってことないように感じますが、
本当に「発作」のように襲ってくる強烈な不安感と孤独感が混じったようなあの感覚は
「今すぐ死んだ方がマシ」と思えるような恐怖感があります。
みなさんももしそんなことになったら、急いで心療内科へ向かいましょう。
死んでからじゃ遅いですからね。
死ななくて良かったです(T . T)