ひと夏の火遊び
投稿者:とくのしん (66)
誰からだろう・・・言い合いをしていた私とミホの会話を遮るように、電話のコール音がけたたましく鳴り響いている。この時ばかりはその音が、無音の空間に今まで感じたことのないような雰囲気を演出していた。私は階段を恐る恐る下りて受話器を取る。階段の途中からミホが心配そうに私を見ていた。
「・・・もしもし」
「・・・・・・」
「もしもし」
「・・・・・・」
「あの、どちらさまですか?」
「・・・・・・」
無言電話だった。何も言葉を発しないが、かすかに吐息が漏れている。
この時代、無言電話など珍しくなかったため、いつもなら文句の一つでも言って切っているところだが、このときばかりは叩きつけるように電話を置いて二階へと駆け上がることしかできなかった。
それからの夏休みは散々なものになった。予定していたお祭りや花火大会といったイベントの類を尽く取りやめ、自宅に引きこもるようになった。私とミホは電話でお互いの近況を報告しあうようになり、会う頻度は極端に減っていった。
二学期が始まっても、夏休みのあの出来事が忘れられずにいたせいもあって、ミホとは何となく距離を取るようになっていた。クラスの男子連中は「ついに別れたか」などと囃し立てたが、女子達はそんな私たちを心配してくれた。
そんな状態が続いていたある日の放課後、担任の関根が私たちを呼び出した。
「お前ら何かあったのか」
ミホとの仲は教師の間でも有名だったことから、心配になり声をかけてきたという。
「別に何もありません」
「夏休みに喧嘩したとか・・・?」
「違います。ミキとはそんなことないです」
ミホも毅然と答えた。関根は二人の顔を交互に見た後、深いため息をついた
「ならいいんだよ。ただでさえ今は受験を控えた大事な時期だからな。心配事がないならそれでいいんだ」
「心配かけてすみませんでした」
「いいっていいって俺は担任だからさ。でもな、仲良くしろよ。お前らのことクラスのみんなも心配してるようだし。俺には心配かけてもクラスのみんなにはあまり心配かけるなよ」
関根は爽やかな笑顔で私たちの肩に手を置いた。
「・・・それはそうと、たまには仲良く電話しておいでよ」
その一言に私の心臓は飛び出るかと思う程の強い脈を打ち、全身の血が逆流したかというくらいガツン!とした衝撃が身体に走った。と同時にまるで金縛りにあったように凍りついた。関根は私たちの肩に手を置いたまま、ゆっくりと二人の間に割り込んで互いの耳元に顔を近づけた。
「いやぁ先生すぐにわかったよ。メグミを名乗っても、声を少し変えてもやっぱり俺は担任だからね。先生、ミキだってすぐにわかったよ。俺は担任だからね、大事な生徒のことは何でもわかるんだ・・・」
二人の間で関根は醜悪な笑みを浮かべていた。
「大事なクラスメイトの名前使って援助交際なんて中学生がしたらダメだよねぇ」
「・・・わ、私たちそんなことしてません!」
ミホが裏声になりながら叫んだ。
上記が事実であるならば、届いた封筒と一緒に警察に行くべきだと思いますよ。
街中の防犯カメラ、指紋等から犯人が見つかるかも知れません。
いつ訪れるかも分からない恐怖に震えるより建設的だと思います。
ご友人も報われると思います。
そうです。
警察に行くべきです。
知ってる人だなんて・・・
ためはち
実際、教師の犯罪って後を絶たないよね
こんな感じオチ、どっかで見たことあるね
部屋に変なのが出てきて、呪われる話
怖い…
実話かどうかわかりませんが現実にありそうな話でゾワッとしました