足を掴んであの世へ
投稿者:りー (118)
短編
2022/04/03
15:43
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子供の時の話です。
友達から夜足を出して寝ているとあの世に連れていかれると聞かされました。
そんなまさかと半信半疑ながら、その様な話を聞かされると急に意識してしまいます。
それ以降夜は律儀に足を出さない様に寝る様になりました。
しかし、ある夏の夜どうしても暑くて足を出して寝る事にしました。
少し心配はしていましたが数日間その様に寝て何も起こらなかったのであれは嘘だったのだと安心して眠る様になりました。
しかし、ある熱帯夜に足元に風を感じました。生ぬるい風です。
扇風機をかけていたのでそれかと思いましたが、こちらに首を振っていない時でも風を感じるのです。
不思議に思いつつ眠気で目を開けないままでいると今度はひんやりとしたものを足に感じるのです。
何かおかしいと思いつつ襲って来た恐怖で目が開けられません。
やがて足に手がさわさわと触れている様な感覚がしました。
足を掴まれたらあの世に連れていかれると思い咄嗟に足を折り曲げ布団の中に隠しました。
暫く足元では冷気と手がうごめいている感じがしましたがやがて諦めて気配は無くなりました。
もう少しで死ぬ所だったと恐怖を覚え、それ以降夏の暑い日でも足を出して寝る事が出来なくなりました。
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