穢れに寄って来た悪いもの
投稿者:りー (118)
短編
2023/01/05
16:21
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私が初潮を迎えた時の事です。
不思議な事が起こりました。何かに見つめられている気配を感じるのです。しかも私に危害を加えようとする良くない雰囲気のものでした。道を歩いている時でも機会さえあれば車道に突き飛ばしてしまおうと言う感じで虎視眈々と伺っている様子です。辺りを見渡してもその様な人はおらず気配だけです。
今までこの様な事は1度も無くただただ怯えるばかりでした。ある日、行きつけの駄菓子屋に行った際、そこのおばあちゃんから「あんた、今穢れだね。家でジッとしてな」と言われました。汚いと言われたようでショックを受けていたら、私が誤解している事を察し、説明を付け加えてくれました。
穢れとは気が枯れるで気枯れと言う意味であり、エネルギーが枯渇している状態の事を差します。古来より穢れを避ける事で人間は平穏を保って来ました。気が枯れて無防備な状態ゆえ悪いものも寄って来ます。平安時代はそれを恐れてその期間は家に籠っていたそうです。私が感じたのは穢れ故に寄って来た悪いものだったのでしょう。
月の満ち引きに例えられるように女性の変化はあの世とこの世の境を曖昧にしてしまうのです。それに引っ張られ無いよう先人の智恵は優れたものだと感じました。それ以降、私は生理になると悪いものから身を守るため必要な時以外家に籠るようにしています。
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なるほど。