奥多摩湖ロープウェイで体験した怪異

数年前、大学のサークル仲間と奥多摩湖ロープウェイを訪れました。
この場所は私が好きなホラーゲームの舞台となっており、前々からぜひ見学したいと思っていたので当日はテンションが上がっていました。

8月の夜、友達の車に乗って訪れた奥多摩湖ロープウェイ乗り場は想像以上に荒廃していました。錆び付いたロープウェイが放置されているのが嫌な想像をかきたてます。

しばらく駅周辺を徘徊していると、低くくぐもった男の呻き声のようなものが聞こえてきました。空耳かと思って周囲を見回した所、白っぽい影が視界の端を横切って行って心臓が止まりかけました。

「なんかやばいよ、ここ」

私が懸命に訴えると仲間も怖くなったのか、予定を切り上げて早々に帰ることになりました。すると突然体が重くなり、一歩踏み出すごとに気怠さが募っていきます。

まさか憑かれたのでは……自分の背中に幽霊がおぶさっている光景を想像し、気も狂いそうな恐怖に襲われました。

どうにか無事帰れたものの、今でも忘れられない体験です。