雪だるまのこども
投稿者:with (43)
小学生の頃、仲の良かったAとBとCの4人で近所の山にあるちょっとした広場でよく遊んでいた。
鬼ごっことかかくれんぼ、エアガンが流行った時はサバイバルゲームもした慣れ親しんだ場所だった。
冬休みになり雪が深々と降って子供の膝丈まで積もった日、俺達4人は例の広場に集合した。
「やっべー!すげーな」
「かまくら作ろうぜ」
子供らしくわいわいはしゃぎながら一面の銀世界を駆け回ってた。
高所から大の字になって雪のクッションに飛び込んだりもした。
「ははは、死体現場」
そんなふざけた遊びを一通り頼むと、それぞれ持ち寄ったスコップや小さいシャベルを使って雪を集めていく。
「かまくらってどうやんの?」
「知らね」
俺の些細な疑問をBがツンとはねのける。
知らないならしょうがないが、Bは雪をかき集めてかまくらの土台となる雪の塊を積み上げている作業に没頭していたせいか、俺への返しが投げやりだった。
「A、かまくら作ったことある?」
「さあ?雪積み上げて穴掘るんじゃない?」
Aもよくわかってないらしく、適当に返してきた。
そんな中、Cは黙々と雪だるまを作るように雪を転がして雪を集めて運んでいた。
「完成したら横に雪だるまも置きてえな」
Cの姿を見てAがこぼす。
俺もそれには同意見だった。
俺達の背丈を超えるくらいの大きなドーム状の雪の塊が完成した。
後はこのドームに穴を開けたらかまくらの出来上がりだ。
入口になるであろう場所に目印をつけて、俺達はスコップの先で削るようにして掘り進めていく。
「かき氷みてえ」
Bの発言に納得しつつも、俺達は穴を掘る。
やがて公園で見かけるドームの遊具のようになり、俺達4人はかまくらの中にすっぽりとおさまることができた。
「けっこういい感じだな」
「秘密基地みたい」
AとCが壁をポンポンと叩いていたが、十分に押し固めていたので強度も大丈夫そうだった。
「窓ほしいな」
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。