雪だるまのこども
投稿者:with (43)
Bが無茶な発言をしていたが俺達は次に雪だるまを設置する為、一旦外に出ていく。
しばらく雪だるま作業に没頭しているとドドドと鈍い音が鳴ったので、俺は顔を上げた。
「うわ、かまくら崩れてんじゃん!」
近くにいたAが声を上げた。
かまくらの方へ視線を向けると、爆破解体したみたいに見事に崩れていた。
「せっかく作ったのにな」
Cが残念そうにため息を混じらせた。
俺もちょっとだけ落ち込んだが、この場にBがいない事に気づく。
「なあ、Bは?」
「え?」
俺の言葉に二人は揃って口を開け、俺達は互いに顔を見合わせた。
そして、自然と視線は崩れたかまくらに向けられる。
「え、Bあの中?」
「嘘だろ、さすがにいねえだろ」
嫌な予感がした俺達は慌ててかまくらに駆け寄った。
崩れた雪が重なりちょうど雪だるまのような造形があったので、俺は何となくBが埋もれてこうなったのか?と思った。
「これBじゃね?」
「まじかよ」
俺達は雪をかき分けるためにスコップを使おうとしたが、刺さったら危ないので素手で作業することにした。
といっても随分と固くなっているせいか指が雪に入りづらい。
「おい、これ」
Aが声を上げて指差したのでそこを覗き込むと地肌のような人の一部があった。
「やっべ、早く助けねえと!」
俺達はペースを上げて雪をかき分けていく。
その肌は物凄く青白く血の気がないような白さだったので、俺達は緊迫した空気にあてられていた。
すると、遠くのほうで「おーい」と聞き慣れた声が聞こえた。
振り向くと、枝を入れたバケツを抱えたBが手を振っていた。
「いい感じの枝集めたぞー!雪だるまの腕にできるぜ」
屈託ない笑顔でBは叫ぶ。
俺達は互いに顔を見合わせた。
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