納屋の臍の緒
投稿者:with (43)
短編
2021/12/19
21:36
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俺はそのまま戸棚を飛び出して一目散に納屋から走り出す。
Eも困惑しながら一緒に逃げ出したらしいが俺は覚えていない。
その夜、俺達は納屋に侵入した事が爺ちゃんにバレて大目玉をくらった。
ただ、あの箱の事は何も聞かれなかったし、俺達もあの怪奇現象については話さなかった。
俺達が高校生になった年、爺ちゃんが他界して久しぶりに葬式でEに再会した。
その時、Eに当時の体験を話したが半信半疑というかEは声の事や箱の事も忘れていた。
爺ちゃんが亡くなった今、あの箱の事も聞けない。
あれがなんだったのかわからないモヤモヤした感情を抱えたまま俺は爺ちゃんの棺桶を見送った。
そして俺が思うのは、あのトタッズズという音は赤ん坊が這いずっていた音なのではという疑念だ。
そして、あの箱は今何処にあるのだろうかとふと思ったので書いてみた。
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昔はへその緒を保管してる家多かったみたいだけど最近はどうなんだろ
亡くなった赤ちゃんのものだったのかな?