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不思議体験

となりのコロロさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

百合子さーん
短編 2025/12/03 17:07 406view

夏の恒例行事で、僕の部屋に男4人が集まり百物語をしていたときのこと。
その中で友人──ここではAとする──が話してくれた怪談だ。

Aはここ最近何度も見る同じ夢に悩まされていたらしい。

夢の中では決まって自分の部屋から始まり、玄関の方から何か呼び掛けるような声が聞こえるそうだ。

声の正体を突き止めようと部屋を出て玄関を目指す。

部屋からまっすぐ伸びる廊下を進み玄関にたどり着くと、声がはっきり聞こえた。

「百合子さーん。ここかい?」

年配の男の声。

しかし“百合子”という名前はA本人の名前ではない。

それどころか身近にもそのような名前の人物はいなかったのでAは自分とは関係ないことだと決めて部屋に戻ろうとした。

すると、

「百合子さーん。ここかい?」

声の主が近づいてきている。

(この部屋に来るな)

Aはそう心の中で思ってしまった。

夢の中では思ったことがそのまま現実になる。

「百合子さーん。ここかい?」

ついに部屋の前から声が掛かる。

Aが恐る恐る覗き穴から廊下を見ようとすると、

「あー。ここにおったんか。」

この言葉を合図にAは目が覚めるそうだ。
Aは直近1か月でこの夢を全て同じ内容で7回は見ているらしい。
だが、昨日の夢では変化が起きた。

昨夜の夢でも同じように玄関に立つと、あの声が聞こえる。

「百合子さーん。ここかい?」

少しずつ声は大きくなっていく。

「百合子さーん。ここかい?」

部屋を一つひとつ確認するようにこちらに。

「百合子さーん。ここかい?」

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関連タグ: #声#夏#夢#百物語
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