助けてくれたおばあちゃん
投稿者:ミューファ (9)
今から15年ほど前、私が一人暮らしを始めた頃のお話です。
就職と同時に、地方から大阪市内のとあるワンルームマンションへ引っ越しました。
そのマンションは大阪の中心部まで自転車でも通勤できる立地にも関わらず、家賃が格安で、住民の人達の表情が何となく暗く、一言でいうと「辛気臭いな」と感じたことを覚えています。
引っ越した初日の夜、早速彼女が遊びに来てくれましたが、その時になぜか喧嘩になってしまいました。
今となっては明確な理由も覚えていないのですが、彼女とはそれまで一度も喧嘩をしたことがなかったのに、なぜか私が引っ越しが完了くらいからイライラしており、ちょっとしたことで強い言い方をしてしまい、喧嘩になってしまったのです。
今になって思うのは、あのマンションに住んでいた頃は、仕事が全くうまくいかず、常にイライラしており周りの人のアラを探しては強い言葉を投げかけていたように思います。我ながら嫌な奴だったなぁ、と。
そして引っ越してからしばらくして、不思議な経験をするようになりました。
お風呂場で目を瞑って頭を洗っている時に、頭を誰かに掴んで揺さぶられるような感覚に襲われることがあったのです。
それも一度や二度だけではなく。
しかも、決まって彼女が遊びに来た日やその翌日に感覚に襲われるのです。
また、夜寝ている時に、それまで遭ったことのなかった金縛りに遭うようになりました。
「体が動かない…」怖い気持ちはあるものの、現実なのか夢の中なのか、毎回よくわかりません。
そして毎回、体が動かなくなった後に何者かに体を掴んで揺さぶられるのです。
寝ている人を起こす時に、両手で体を揺さぶるじゃないですか。
あんな感じですごく強く揺さぶられるのです。
気が付くと体中汗だくで、でも、揺さぶられた感覚は残っており「もしかすると地震か?」と思い、地震速報を調べるのですが、地震は起こっておりませんでした。
私はさすがに怖くなり、職場の霊感の強い後輩に相談しました。
ここで少し、その後輩の紹介をさせていただきます。
その後輩は恐ろしく霊感の強い女の子で、初対面で出会って5分で名前と出身地くらいしか伝えていないにも関わらず、私の家族構成等を全て言い当てたのです。
「なんでそんなことわかるの?」と尋ねると、
「いや、先輩のおばあちゃんって昔、若くして亡くなられたでしょ?そのおばあちゃんが守護霊になって先輩の後ろについて下さってるんです。で、そのおばあちゃんが先輩の情報を色々と教えて下さるんですよ。」
驚いたことに、初対面で私の祖母が若くして亡くなったことまでも言い当てたのです。
ちなみに祖母は私が生まれる前に亡くなっており、一度も会ったことはありません。
後輩によると、あの世で過ごしている時間が長い分、子孫を守る力が強くなるようです。
後輩の紹介が長くなってしまいましたが、後輩にお風呂場での体験談と、金縛りの体験談を話しました。
すると、後輩は私の肩あたりをジッと見ながら「先輩の部屋にお風呂場にいた良くない霊が今憑いていますね」と話し出しました。
後輩によると、私のマンションのどこかの部屋に失恋を苦に自殺をした若い女性がいたそうです。
そして、その女性の霊が私の部屋のお風呂場に寄ってきたのだそうです。
人間には、学校の通知表のように10段階くらいに分かれて霊感を持っており、私も0ではなく2か3くらいの霊感があるようで、自身の存在に気付いてほしくて私の部屋のお風呂場に辿り着いた…ということでした。
私に後輩に「どうしたらこの霊はいなくなるの?」と尋ねると、これからしばらくの間、入浴前に必ず両肩に塩を揉みこんでから入れば大丈夫、と教えてくれました。
ただ、後輩はその後にこう続けました。
守護霊のおばあちゃんに感謝ですね。