窓から覗くおばさん
投稿者:with (43)
中2の夏休み、友達のBと一緒にAの家に泊まりがけで遊んだ日の事。
Aの家はマンションの3階にあって、角部屋のAの部屋で流行の某配管工が冒険するゲームを三人で協力して進めていた。
21時過ぎくらいに小腹が空いてきた俺は近くのスーパーに買い出しに行こうと提案し、二人は快く頷いてくれた。
Aの家から徒歩10分くらいの場所に24時間スーパーがあって、この時間帯から割引が始まったりするのをAと付き合いの長い俺は熟知していた。
ジュースとお菓子、あとはまるごとバナナとか割引されていた商品もカゴに投げ込んで買い漁ると、夜の道を三人並んで帰るだけだった。
「なあ、誰かついてきてね?」
Bが時折後ろを振り返りながら声を殺して言ってきた。
俺とAは「は?」とハモりをきかせながら後ろを振り向くが、人影なんて見えるはずもなく、外灯が外壁や電柱を照らしてるだけだった。
「ビビってんの?」
「ちげーよ」
Aが揶揄うとBがちょっとムキになって否定するが、やっぱり後ろを警戒している様子だった。
俺も何となく定期的に振り返る仕草をしていると、遠くの方の電柱の後ろに人の肩が出ているように見えた。
「B、もしかしてあの電柱?あそこの」
俺が小さく指差すとBは「おお」と力強く頷き、
「やっぱついてきてんだって」
と神妙な面持ちで言い放った。
俺達三人は家まで走ることに決めた。
A宅のマンションエントランスまで走ると、さすがにオートロックなので俺達は息切れを落ち着かせる為、それぞれ膝に手を置いてゼーゼー呼吸を整える。
「さすがに俺らの足には追い付けねえだろ」
Aはドヤ顔で言った。
俺達は階段を使って3階まで登ることにした。
階段側は外壁がなく、ちょうどマンションの全面の様子が一望できるので、奴が後をつけてきていないか確認するのに最適だった。
3階に差し掛かった時、Bが「うわ」と呟く。
「マジでついてきてるじゃん」
「うわー、キモ」
Bは若干青ざめていて、Aもさすがに引き顔だった。
俺達はそのままAの家に入って、Aの部屋で気分転換に夜食パーティを開く。
「あいつ警察に言う?」
「ただのキ○ガイだろ。何かあってから通報すればいいよ。家には入ってこれねえし」
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。