ある宿泊所に泊まったときのこと。
中はとてもきれいだったので、「おわ!いいね!」と家族はみな喜んでいました。
1階には高級なテーブルやソファが置いてあります。
ソファはフカフカで座り心地満天。
キズもほとんどないテーブル。
大きなテレビと大きな窓。
窓からは満点の星が見えるんです。
その夜空を見て、「うわあ、きれいだねえ」と癒されたりして。
「ここに決めて良かったよね。旅館やホテルもいいけどさ」
みんなとっても楽しそう。
「じゃ、食事を作ろうか」とお母さんが誘ってきます。
スーパーに買出しをしてきた食材をキッチンに運びます。
「ね、何を作るの?!」と聞くと、お母さんは「カレーライスね」と言うのです。
旅先に来てカレーライス?!と思いましたが、もうお腹はぺこぺこです。
文句も言えません。
「じゃあお母さんが野菜の皮をむくからね。炒めて」と指示が飛びます。
「あ、ちょっとトイレに行ってくるから」とお母さんがキッチンを出ました。
キッチンで料理をしていると、フーッとどこからともなく風が吹いてきます。
「ん?窓なんて開いてないけどな」
また野菜の皮を剥いていると、フーッと風が後ろの壁の方から吹いてきます。
「壁?」
そして、後ろに誰かが立っているような気配がします。
振り向けば・・・誰もいません。
お母さんが戻ってきましたが、今あったことは言いませんでした。
テーブルに料理を並べて、お父さんに「食べようよ」と声をかけます。
食べる前にトイレに行く私。
ドアを開けて少し歩いた所にトイレがあります。
ドアを開けると、フーッとまた風が吹いてきました。
「は?まただ」
その時です。
こちらを誰かが見ているような気がして、振り向きました。
振り向けば、そこに白いモヤがふわふわと浮いています。
「え?!何!」
その白いモヤからは嫌な気配が漂ってきました。
「やだ、やだ」
私は用を済ますと、急いでリビングの方へと走ります。
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