人が落ちる音
投稿者:ぷーさん (30)
友達の住むマンションに行くと、「今日は泊まって行ってよ」と言うので、私は泊まることにしました。
友達の部屋に通されると、布団を敷いてくれて、そこに寝ることにしました。
その夜は怪談話をして、盛り上がりました。
霊感のある友達が話す幽霊話はとてもリアルで、背筋がゾクゾクと凍ってきます。
「やばいな、寝れるかな」なんて冗談を言って、またリアルな怪談話を聞いていると、いつの間にか寝てしまっていました。
何時間ぐらい経ったでしょうか。
目がパッと開いてしまった私。
部屋は照明を消していたので、真っ暗です。
友達は少しでも明るいと寝れないタイプだったので、遮光カーテンをして寝ています。
だから、部屋は外の明かりも差し込まないので、友達のシルエットもまったく見えない状態です。
「なんだか出てきそうな雰囲気だな」と思う私の耳に、ドスンという鈍い音が聞こてきました。
「なんか遠くの方から落ちる音がしたけど」
真っ暗の中で、音だけが鳴り響くものですから、恐怖に包まれます。
ドスン!と、また落ちる音が聞こえてきます。
「なんだか音が近寄ってきてる気がする」
ドスン!!音が鳴り響き、とうとうその音は近づいてきて、目がバッチリ開いてしまいました。
「ああ、もう眠れないわ」
気持ち悪さと、なんだか襲われてしまいそうな感じがしてきて、目を閉じてもまたバッチリと開いてしまうのです。
そんな私を面白がるように、その落ちる音が大きくなり、とうとう私の近くにまでドスンと鳴ります。
そこで私は気づいたのですが、その音は、人が落ちているような音であることに気がついたのです。
それも、高い位置から勢いよく落ちる音に。
ドスン!
「ね、起きて!人が落ちるような音が聞こえてくるんだけど。だんだんこっちに近づいて来るし」
そう言いながら、寝ている友達を揺さぶって起こる私。
「なに?どうしたの?」
飛び起きる友達に、さっきから起こっている恐怖の出来事を教えました。
すると、「ああ、このマンションでね、前に若くして亡くなった男性がいてさ、その人が成仏できずに、いまだにマンションに現れるって、みんな気持ち悪がっててさ」
「そうなんだ」
それからは、友達の家に泊まることもなくなりました。
自殺したのに成仏できないなんておかしな話しだよなぁ!
殺されたのかな?