ある夏休み、プールでの恐怖体験
投稿者:ぷーさん (30)
ある年の夏休み、友達とプールに行くことにしました。そのプールは少し古いプールで、夏休みだというのにあまり人がいない状態でした。
友達は一目散に水着に着替えてプールの中へと入ります。「ここに来て良かったね」と言っては、すごく嬉しそうな表情で泳ぎまくります。
私も一緒に泳ごうと、水の中へ足を入れました。予想外に水が冷たく、なかなか入れずにいたら、後ろから誰かに背中を押されたのです。両手でこうドンッと。
「え?」驚く私は水の中に入るとすぐに後ろを見て、誰が押したのか確認しました。しかし、誰もいませんでした。押されてからすぐに後ろを確認したというのに、周辺には誰もいないのです。
「おかしいな」そう思っていると、「どっちが早く泳げるか競争しようよ」と友達が言うので、二人で競うことにしました。
「じゃ、あっちの方まで競争ね。スタート」と掛け声をかけた友達とゴールを目指して泳ぎだしました。クロールには自信があった私は、いきおいよく手足をバタつかせてゴールを目指します。
しかし、途中で両足が重くなってしまい、思うように前に進みません。「おかしいな、どうしたんだろう」今までそんなことはなく、最後まで泳ぎきることができたので、軽くパニックに陥ります。
急に両足に重りがハメられたように、思うように両足を動かすことができなくなるだなんて。「なに?どうしたの?」パニックになる私はせめて両手だけでも早く動かして前に進もうとした瞬間、手でガシッと足首を掴まれてしまいました。
前にすすもうとすればするほど足首を掴む手に力が入ります。「怖い、怖い」もう涙が出そうになる私は友達を呼ぼうとしたのですが、ちっとも声が出ません。「助けて、助けて」と言葉を発しようともがけばもがくほど自分が沈んでいることに気が付きました。
ブハッと水を飲んでしまった私は苦しさでもう顔を出す気力もありません。「ああ、このまま溺れてしまうのかな」と思ったとき、腕を引っ張られて、水の中から顔を出すことができました。
「大丈夫?溺れてたよ」と心配そうな顔で友達が聞いてくるので、心配をかけないためにも「溺れてないよ」と言いましたが、プールからあがると「やだ、なに、それ!」と友達が驚くので見てみれば、手で掴まれたような赤い痣が足首についていたのです。
もう怖くて、そのプールには二度と行っていません。
寒いのに準備体操しなかったからカッパかなんかに捕まれたんやろなぁ!