通るたびに人の気配を感じる橋
投稿者:ぷーさん (30)
地元には、いつも人の気配がする橋があります。必ずその橋を通らなければスーパーに行くことができないので通っているのですが、橋の前に来るといつも「ああ、今日もなにかいる気配がするな」と感じて、私はお経を唱えて通る準備をします。
橋を通るときは前の方だけを見て通るようにしています。でないと、幽霊と目があいそうになってしまうのです。というのも、橋の真ん中で誰もいないのに人の気配がするんです。今にも襲ってきそうな感じがして。
「うわ、今日もなんだか嫌な予感がするな。早く通り過ぎないとまずい」と思い、アクセルを強く踏みます。橋の真ん中を通り過ぎると、人の気配もなくなり、怖い気持ちもスッとなくなります
「はあ、今日もなにも起こらず、通れてよかった」ホッと胸をなでおろした私は、家に帰ります。
それから1週間後。
霊感の強い友達と遊んで、家に帰ろうと橋の前まできたときです。
「ちょっと待って。なんだか嫌な気持ちになる。ここ、幽霊がいるよ」と言い出しました。
「やっぱり?いるよね?ここ。私もさ、いっつもここを通るたびに幽霊がいるような気配がする。ほんと、気味が悪くてさ、いっつもお経を唱えながら通るんだよね」
「そうなんだ」
なにか真剣な顔をして考える友達。
「ちょっと車を路肩にとめて」と言ってくるので、道路の路肩に車をとめました。
すると、持っているカバンの中から数珠や塩、お札のようなものを取り出しました。
「なに?それ」と聞くと、「お祓いグッズ」と言います
「じゃ、橋の真ん中まで行って」と指示するので移動すると、呪文のようなものを唱えながら橋の外に向かって塩を撒き、お祓いをし出しました。
「終わったわ」と言う友達に家まで来てもらい、先ほどやったことについて聞きました。
「あれはね、幽霊が悪さをしないようにするためのお祓いの儀式なんだ」といいます。「あそこの橋にいる幽霊はさ、川で流された人みたい。昔はここら辺も洪水が頻繁に起こってたっていうから、江戸時代前の人だと思う。着物着てたし」と教えてくれました。
それからというもの、あの橋を通るたびに人の気配を感じることはなくなりました。
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