史上最悪の存在
投稿者:ぷーさん (30)
ある時期、私は通勤のため毎朝バスに乗るようになりました。バスはいつも混んでいて立っている客も多くいます。
ほとんどがサラリーマンやOL、学生でした。そんなバスに乗るとき、私は決まって1番後ろに乗っていました。一番後ろは隣の席との境界線がなくゆったりと座ることができたからです。
その日も私は1番後ろの席に座り窓の外を眺めていました。すると、モゾモゾと手が太ももを撫でるようにして触ってきました。「なに?なに?!」驚く私は視線を隣に向けると、二ヤッと笑う男性がいることに気づきました。いつも窓の外ばかり見ているので、隣に男性が座ったことさえもわからなかったのです。
「気持ち悪い!」どこか目線が泳いでいるようなその男性は内向的な印象。顔色は悪く前髪は「前が見えるの?」と思うほど目に被さっています。一応サラリーマンなのかシャツを着てネクタイをしていました。
このままだとまた触られてしまうと思った私は、次のバス停で降りようと男性の前を通りすぎようとしました。するとまた太ももを撫でてきたのです。「うわ、やだ」もうそこから早く逃げたいとの一心でバスを降りました。
無我夢中で人で混んでいるバスから降りて、一目散にバス停を後にし、とにかくそこから早く他の場所に移動しようと近くに入ったコンビニに行くことに。
もう怖くて怖くてコンビニまで走りました。中に入るとホッと安心した私はジュースを飲んで落ち着こうと思いドリンクコーナーに行きました。
するとなぜかあの男が二ヤッと笑いながら立っていたのです。
私はトイレに駆け込みました。「どうか消えて」と心の中で念じながら20分ほど待ちトイレから出ます。さすがに男はコンビニから出て行ったようでいませんでした。
「よかった」とホッとした私はジュースを買い次のバスに乗ろうとバス停に行きました。幸いバス停には誰もおらず10分も経たない内に次のバスが来ました。
そしてバスに乗り込もうとした瞬間、入り口のすぐ後ろの窓に先程の男の顔があることに気づきました。
なぜ???パニックになった私はそのままバスには乗らず、たまたま近くを走っていたタクシーを捕まえて出勤しました。
あの男はどうやって次のバスに乗っていたのでしょうか。
最初はただの痴漢だと思ったのですが、もしかしたら幽霊のような存在だったのかもしれません。
幸いこの日以降その男に遭遇することはありませんでしたが、もし幽霊の痴漢だったら史上最悪の存在です。
鉛筆で太ももブスッとやったったらよかったのに!
幽霊の痴漢?思わず笑った。