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都市伝説

太山みせるさんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

ノストラダムスの大予言
長編 2026/07/16 20:04 271view

 サトルくんたちは中学生になった。
 ユリカちゃんは私学に行き、サトルくんとアコちゃんは、同じ公立校に行った。
 
 アコちゃん親子は相変わらずだった。
 別の小学校から来た生徒たちには、サトルくんたち同じ小学校メンバーが事情を知らせて、アコちゃんには何も言わないでもらうようにした。
 否定されていないと思ったのか、アコちゃんは、
「今年の7月に奇跡が起きて、この世は本当の幸せを知るのよ。私の手も元に戻るの」
と、クラスの皆に言っていた。

 7月に入った時、アコちゃんは嬉しそうだった。
 7月の後半、夏休みに入る前も、
「奇跡まだかな?」
とウキウキしていた。

 そして何事もなく7月は終わった。

 サトルくんは夏休みで良かったと思った。アコちゃんの顔を見ないで済んだからだ。どう接して良いか分からない。
 アコちゃんママも、特に見える所では騒がなかったので、平和に終わったと思ったそうだ。

 だが、実はユリカちゃんの家では騒動が起きていたのだ。
 後日に近所の人から聞いた話だと、アコちゃん親子や、それ以外でもユリカちゃん一家の教えを信じた人たちが、家に突撃にしたそうだ。  

 ユリカちゃんのパパは必死に言い訳をしていたという。その横で、ユリカちゃんとお母さんは泣きながら謝っていたらしい。
 

 その後は居づらくなったのか、どこに行くとも言わずに、一家は引っ越した。そして今に至るまで、サトルくんはユリカちゃんに会えていない。噂を聞くこともない。

 新学期になって、アコちゃんが不登校にならないか、サトルくんたちは心配した。だがそれは杞憂だった。クラスの女子が一団となって励ましの電話を入れたのだ。また皆で示し合わせて、誰も予言の話はしなかった。

 左手は元に戻らなかったが、アコちゃんは吹っ切れたのか、明るいままだった。ピアノも辞めなかった。

「片手でも、ピアノは弾ける」
そう言って、今でもピアノを楽しんでいる。
 それだけは、救いだった。

4/5
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