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都市伝説

太山みせるさんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

ノストラダムスの大予言
長編 2026/07/16 20:04 177view

 その後、サトルくんはユリカちゃんの家に何度か遊びに行った。いつもリビングには大人が数人いて、お母さんが独自の教義を説いていた。
「1999年7月、世界は滅びない。それどころか平和が訪れる。全ての怪我や病気は治る……」
そんな言葉がよく聞こえていた。

 1年後、サトルくんは6年生になった。
 ユリカちゃんとは相変わらず仲良しだった。

 ある日の休み時間、クラスで『ノストラダムスの大予言』が話題になった。今までも何度か話になってはいたが、この日は少し違った。

 前日にテレビで取り上げられて、クラスのほぼ全員が見ていたのだ。その余韻が残った状態だったからか、人類が滅んだらどうしよう!なんて本気で心配している子もいた。

 クラス全体が興奮していると、突然アコちゃんという女の子が、

「別にいいじゃん、皆で死ねたら怖くないよー」

と大声を出した。
「死ぬのなんて怖くない!」
そう叫ぶアコちゃんを見ると、涙を流していた。
 
 アコちゃんは4年生の冬に交通事故に遭い、左の手首から先を失った。一緒にいたお父さんは即死だった。

 元は明るく元気が良くてクラスの中心だったが、事故からは大人しくなっていた。

「お父さんは死んじゃったし、私の手はこんなだし、もう私はどうなっても良いの。全て諦めているから……」
 事故からずっと苦しんでいたのだろう。皆は泣いているアコちゃんの気持ちを思い、一斉に話を止めた。

「「…………」」

 気まずい沈黙を破ったのは、ユリカちゃんだった。

「大丈夫よ、1999年になっても世界は滅ばないわ。それどころか、この世は天国になるのよ。すべての病気や怪我が治るの。だから、アコちゃんの手も元通りになるわ」
 
 はっ?という感じで皆がユリカちゃんを見た。そりゃそうだろう。

「アコちゃんの左手、ちゃんと治るから!」
 ユリカちゃんは、澄み切った無邪気な笑顔でそう言った。

「何言ってるの!」
 サトルくんは慌てた。周りもざわつき、
「変なこと、言っちゃいけないよ」
「言って良いことと悪いことがあるでしょう」
 クラスメートが責める中、アコちゃんだけが目を輝かせた。
「ユリカちゃん、それ本当!?」
「本当よ、アコちゃん」

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