その時だった。
どこからともなく声が聞こえた。
「ママ……」
「ママァ……」
女は全てを思い出した。
この子供服は古着ではない。
私があの子に買ってあげた服だ。
あの子は床下の土の中で眠っている。
「ごめんなさい……」
翌日、女は自ら命を絶った。
遺書にはこう記されていた。
自分の子供を殺し、床下に埋めました。
命をもって償います。
通報を受けた警察は床下を掘り返した。
しかし出てきたのは、古びた人形だけだった。
子供の遺体など存在しない。
調べても女に結婚歴や出産歴はなかった。
鑑識が首をかしげる。
すると年配の刑事が、人形を見つめながら呟いた。
「それ……呪物だよ」
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