「え?その成績優秀な彼がどうかしたの?」アカネが聞く。
「・・・行方不明になっちまって・・・3か月くらいして発見されたんだけど」
「兵庫県だぜ? 発見されたの。しかもその間の記憶がまったくなくて・・・まるで廃人みたいになってて・・・2度と学校に登校してくることはなかったな」
「今もどっかの施設で暮らしてるって噂だ」
「だからオレたち、そこにはもう行かないって決めて、樽前山の西の森は禁忌の森として近づかないことにしたのさ」
「ひえぇぇ~恐ろしい~~・・・でも、もしかしたら草薙さん、そこへ・・・」
心配する綿メイ。
「よし、じゃあその廃墟の農場とやらに、私たちも行ってみよう」とリョーコ。
「えぇ!! マジすかリョーコさん!! 今の話を聞いても行くっていうんですか?」
「なぁに、とりあえず偵察さ。中まで入らなきゃどうってことねぇだろ。詳しい場所、教えてくれる?」
拓也は少し興奮している。
「くぅぅぅ~さすがリョーコさん、シビレルぜ!! わかりました!オレらが案内しますから、着いてきてください!!」
走り屋集団「死骨っ子」と「T・M・レボリューション」に先導され、綿メイ運転のランクルがぎこちなく発進した。
車列はいったん支笏湖方面へ抜け、別ルートから樽前山の西に広がる森の中へと抜けていった。車が通れる道はこのルートしかないらしい。地元の人間でも普段はほとんど使うことのない道だという。
そんなルートだから、道はどんどん悪くなり、とてもじゃないが走り屋たちのクルマでは底を摺りそうになってきた。アカネたちのランクルなら悪路も平気なのだが・・・拓也はいったんクルマを降りた。
「しばらく来ねぇ間にすっかりクロスカントリーみたいになっちまったな・・・。
ここから先はオレたちのクルマじゃ無理そうだ。だが、このランクルならまだ行ける。
・・・よかったら、俺に運転させてくれねぇか?」
拓也がリョーコの目を見て懇願する。
「ヤダ、ヤダ、ワタシが運転するんですもんねー」
相変わらず空気をよまない綿メイ。
「綿メイ、早よそこおどき。後でお菓子買ってあげるから」とリョーコ。
「えっ、ホント?わーい」
「綿メイの操縦方法がだんだん判ってきたわ」とアカネ。
拓也が仲間たちに指示を出す。
「そーゆーわけだから、オレはリョーコさんたちと行く。オマエらは下山してくれ」
「拓也、気をつけろよ。勝負はこの次までお預けだ!!」T・Mのリーダーが声をかける。
「オウっ」
ランクルに乗り換えた拓也が3人娘に言う。
「急ごうか。あと1時間もすれば日が暮れはじめる。山の中の暗闇はたとえランクルでも危険だぜ」
























Mameです。楽しんでいただけたでしょうか?
13Pで、リョーコと拓也のちょっとムフフな流れがありますが、
実は元の原案段階ではさらに長く、じっくりと、禁断のシーンがつづきました。
書き上げてとても満足したのですが・・・さすがにこれは奇々怪々からもBANされる!と思い、
校了版ではムフフの入口あたりで抑えることにしました。
いつかチャンスがあれば、「ピンクのしおり」バージョンも書きたいところです。
ま、無理かな。