「死ぬ前にあなたに会えて本当によかった。ずっと心残りでした。
やっと会えた…
あなた…私の母が、亡くなる日に病室に来ましたよね?」
返答がない。
顔は何故かボヤけてハッキリと見えない。
小さく頷いた?ような気がした。
続けて、
「あなたは誰ですか?」
「…………」
「母の知り合いですか?」
「………….」
何も答えてくれない。
「私はあなたのことを、ずっと探していました。母が亡くなった当時はあなたのことを憎んでもいました。」
「…………」
何も答えてくれなかった。
どのくらいの時間が経っただろうか。
突然、男性はニヤッと笑い、部屋の出口に向かい始めました。
すると、突然、
「ダメ!連れて行かせない!」
と誰かが叫びました。
「この声…お母さん…?」
男性はその場で立ち止まり、私に背を向けた状態でボソッと何か呟きました。
声が小さ過ぎて何と言ったかわかりませんでした。
そして、出口に向かい歩き始め、部屋を出ると同時にチッと舌打ちのようなら音が微かにしました。
その後は特に私自身変わったことはなく無事に退院となった。
母と従兄弟、そして妻や子供達…
素晴らしい人達との生活は辛いこともあったが幸せな時間だった。
そんなことを思いながら窓の外を眺めている。
青く澄み切った空に流れる白い雲…
桜も今にも咲きそうな木々…
小さな手を繋ぎながら駐車場を歩く親子…
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