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不思議体験

たちさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

やっと会えた
短編 2026/06/01 12:27 213view

何も考えられない状態の中、何故か病院ですれ違った人のことが頭の中に浮かんできた。
「そういえば…あの人がきてから、母の様子が徐々におかしくなっていった…」
そう思うようになってしまった。
その人の何かをしたという証拠も何もない…
でも、その時は、何かのせいにしたかったのかもしれない…そうでもしないと気持ちの整理がつかなかったと思う。
中学生という年齢は大人のようでまだまだ子供だったと大人になった時に気づいた。

母が亡くなってからは従兄弟の家でお世話になり、何の不自由もなく生活を送らせて頂いた。
バイトをしながら大学に通い、無事に卒業、就職をすることができた。
「母が生きていたら…これから贅沢をさせてあげたかったのに…」と強く思ったのを覚えている。
それと同時にあの日にすれ違った人のことも忘れてはいなかった。
「あの人は一体誰なんだ。会って話をしたい。」

そのような想いが大人になり、芽生え始めていた。

その後、月日は流れ
私は結婚し、子宝にも恵まれて幸せな生活を送っていた。
「幸せな生活を送れるのも、お母さんや従兄弟の人達のおかげだ…」と感謝をし、従兄弟達にはわずかながらにも仕送りをして少しでもと思いながら、恩返しをしていた。

ある年に親戚が亡くなり、親族一同が集まる機会があった。
私は世話になった周りの方々と久々に会い、近況報告などをして回っていた。
そこで、ふと思い出した。
「そうだ!あの人、いるかな?」
顔はハッキリと覚えていない。
その人の雰囲気を感じ取ろうと多くの人と会い、話をして回った。
しかし、それらしい人は見つからなかった。

結局、あの日、すれ違った人が誰なのかわからないまま平穏な生活を送り続けていた。

数十年後、私は病に倒れた。
しかし、幸いなことに早期発見のおかげで完治すると先生に言われ、私自身はもちろん、妻や子供達も一安心だった。
経過は順調に進み、来週には退院できることも決まった。

そんなある日のこと。

昼食を終え、妻は自宅に一旦戻っている時に、見知らぬ男性が私のベットの前で立っていた。
物音一つ立てずに私の足元に立ちこちらを見ている。
「あの…どちら様…」
と尋ねようとした時に私は驚いた。
母が亡くなった日にすれ違った人だ!と一目でわかった。顔を見てはないがあの時に感じた雰囲気は数十年経った今でも変わっていなかっ
た。

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