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不思議体験

悠雨さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

海辺の三姉妹
短編 2026/05/24 13:09 415view

出張で太平洋側のある港町に行った時の話。
私は建築関係の仕事をしていて、地方への出張も多かった。

あれは数年前の6月。
社長に押し付けられるがまま、件の港町へ赴いた。仕事内容は詳しく話せないが、建物の建て替え等の打ち合わせだ。

朝から始まった打ち合わせが終わったのは夕方17時を少し過ぎた頃だった。
この季節のこの時間はまだ明るい。

「君みたいな若い子はこんな港町に来ないでしょ?海辺に定食屋さんもあるし、散歩がてら行ってきたらどうだ?」

そう提案され、内心めんどくさかったが俺は定食屋まで歩くことにした。

この辺りは木造の住宅が密集しており、家屋と家屋の間の細道を歩き、海へ向かう。

少しずつ、道が開けてきて海が見えた。

堤防まではすぐだった。
夕日が反射する海を眺めていると話し声が聞こえてきた。

「姉さんよ。明日はねぇ?」

「そうだそうだ。残念だねぇ」

「でも、そればかりは仕方ないからねえ」

ふと、右を向くと木製の椅子に腰掛けた3人の老婆が目に入った。

3人は続ける。

「まだ若いのにねぇ」

「ほんとこればかりはねぇ」

「2人も連れていくことねぇのにねぇ」

連れていく?なんのことだ?
さっき姉さんとか言ってたし親戚騒動か?

俺は話が気になり、海を見ているフリをして耳を澄ます。

「姉さんよ、もうそろそろだねぇ」

「そだな」

「全く知らねぇガキだけど心は痛むねぇ」

「残念だ。残念だ」

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