私「…あの、私儀式の事あんまり知らないので何すればいいか判んないんですけど」
輝美「この作業はあんまり素人がやらない方がいいよ。沙由香は時間見といて」
藤間「そうだな。降霊術に慣れてない人はやらない方が安全だろう。」
正直、この「死食」についての調査は私が始めたというのに何も手伝えないというのはもどかしかった。
私「…あと二分で零時です」
藤間「ああ、もう準備は大体終わった。」
輝美「カメラの録画、SB(スピリットボックス)の電源を付けます。あと沙由香に言い忘れてたけど儀式中は私がいいって言うまで声出しちゃ駄目だよ」
さっきまでハイテンションだった輝美は今や別人の様に真剣だった。スピリットボックスから「ザザザザザザザザ」というノイズの音が鳴り響く。
私「…あと十秒」
藤間さんは丁度部屋の中央に正座している。
私「…九…八…七…六…五…四…」
輝美「三、ニ、一、開始」
輝美が「開始」と言い始めた瞬間。
藤間「誠に申し訳ございませんでした」
割れた鏡の破片の前で謝罪し始めた。私と輝美は藤間さんの後ろに立っている為背中しか見えない。すると、スピリットボックスに反応があった。
「……さない」
その声に応える様にして藤間さんはまた謝罪する。
藤間「誠に申し訳ございません。この身をもって謝罪します。」
その時、輝美が蝋燭を指差した。蝋燭を見て、あっと声を出しそうになった。蝋燭に灯る火が、儀式の前に比べて十cm以上高く上に伸びていたからだ。
「…さない。ゆるさない」
スピリットボックスからは確実に「許さない」と聞こえた。
その時。
私は子供の頃、母が話していた言葉が脳内に再生された。
母「あのね、沙由香。」
私「何?」
母「あなたのお婆ちゃんのお婆ちゃんより、ずーっと昔のお婆ちゃん。沙由香の祖先の方のお話なんだけどね。その人は、お兄さんにまっくらな小屋の中へ閉じ込められてたの。」
私「小屋の中?」
母「それでね、その人はご飯を食べさせて貰えなくて亡くなったの。しかも、その人の遺体は親に食べられてしまったのよ。」
私「食べられちゃったの?」



























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