(彼女は、画面をスクロールした。そして——私は見た。)
「『田中花子』。アイコンは黒。プロフィール画像なし。」
「そして、最新のメッセージ。今日の日付。午前3時。」
「『もうすぐ、会いに行くね』」
(彼女の手が震えていた。)
「毎晩、午前3時に、メッセージが来るんです。毎日、少しずつ——近づいてくる内容で。」
「最初は『暗い場所にいる』。次は『外に出た』。次は『道を歩いてる』。今日のは——『もうすぐ、会いに行くね』。」
「私——いつ着くのか、分からないんです。でも、確実に、近づいてる。」
面談後、私は山田のスマートフォンを確認させてもらった。
確かに、「田中花子」のアカウントが存在した。友達リストにも。
そして、午後8時23分——私たちが話している最中に——新しいメッセージが届いた。
「今、あなたの家の前にいるよ」
私たちは、窓を見た。カーテンは閉まっていた。
誰も、カーテンを開けなかった。
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