証言者:山田真理(仮名)、23歳、大学生
場所:自宅(神奈川県横浜市)
面談日時:2026年1月25日、午後8時、対面
山田は、普通の大学生だった。明るく、社交的。しかし、彼女のスマートフォンには——削除できない「友達」がいる。
「2025年11月8日です。夜、11時くらい。私、部屋で課題やってました。」
「そしたら、LINEの着信が来たんです。音声通話。」
「見たら——知らない名前。『田中花子』って。でも、友達リストにそんな人いないし。」
「最初、無視しました。でも、着信が切れて、すぐまた来て。また切れて、また来て。5回くらい。」
「それで——イライラして、出ちゃったんです。『誰ですか?』って。」
「3秒くらい、無音でした。それから——」
「子どもの声が聞こえたんです。」
「『もしもし』って。女の子。たぶん、小学生くらい。」
「私、『間違えてますよ』って言いました。でも、女の子、こう言ったんです。」
「『お姉ちゃん、助けて』」
「私、『え?』って。そしたら、女の子、泣き始めて。『暗いの。怖いの。ここ、どこ?』って。」
「私、悪戯だと思いました。『知らないよ。親に聞いて』って言って、切りました。」
「でも——30秒後、また着信。同じ名前。」
「今度は無視しました。でも、着信が止まらない。10回、20回、30回——」
「私、怖くなって。ブロックしました。」
「それで、終わったと思ったんです。」
(彼女は、スマートフォンを取り出した。画面を私に見せた。)
「次の日の朝。LINEを開いたら——その『田中花子』から、メッセージが来てたんです。」
「ブロックしたのに。」
「メッセージは、こう書いてありました。」
「『なんで出てくれないの?暗いよ。寒いよ。お姉ちゃん、助けて』」
「私、完全にパニックになって。アカウントごと削除しようとしました。でも——」
「削除できないんです。そのアカウントだけ。『削除』ボタンを押しても、何も起きない。」
「それで、私、LINEのサポートに連絡しました。『変なアカウントが削除できない』って。」
「サポートから返信来ました。『そのようなアカウントは、あなたの友達リストに存在しません』って。」
「でも、確かにある。今も、ここに。」























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