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呪い・祟り

漁師スープさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

祈り
短編 2025/03/14 16:34 1,587view

私はフリーターなのだが

家から少し遠いところにある薬局のアルバイトへ

毎日車で通っている。 

なぜわざわざ遠いところで働くのかと言うと

薬局の店長が私の先輩の友人で

その紹介で働けることになったからだ。

恩義のためにしかたなく足を伸ばしているということだ。

それでも、車の運転は好きだったし

ガソリン代もキチンと支給されるため

実際のところは、私は毎日楽しく通っていた。

紹介してくれた先輩は地元の不良なのだが

私がお世話になったこの薬局の店長も

思った通り元不良だった。

店長は悪事で一度逮捕されたことをきっかけに更生し

出所後は薬局で品出しのアルバイトをして食いつなぎながら

資格勉強を始めたそうだ。

やがて、登録販売者という医薬品の販売に必要な資格を取得し

数年間のアルバイト経験を経て店長職へと上り詰めた、まさに現場叩き上げの店長だった。

私が今でもこの仕事を続けられているのは

そんな店長の人間力や経験に惹かれたことが大きいのだろう。

そんな中で、とある夏の朝

通勤中にふと、ある事に気が付いた。

いつもの踏切で電車が過ぎるのを待っている時

毎日同じ車が自分の後ろに着いてくるのだ。

最初はさすがに怪しいと思ったが

すぐにストーカーの疑惑は晴れ去った

バックミラーでどんな人なのかを確認すると

おばあちゃんと孫であろう男の子が座っていたのだ。

男の子は戦隊ヒーローのポーズをして

楽しそうにおばあちゃんに話しかけている。

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