俺達は遠足へ行っていた。
天気は快調、皆の気分も絶好調だ。
いつも通り俺はバス内で生徒達に面白いダジャレを言ってやって、遠足がより楽しめるようにした。 けれど学級委員長からは
「先生、面白くないです。辞めましょう。皆の気分が下がってます。何より寒いです!」
と言われたので
「お、俺は遠足がもっと楽しめるようにと‼」
と必死で説明したのだが全く聞いてもらえなかった。
さて、おかしなことが起こったのは遠足先の遊園地に着いてからだ。
始めの内は皆普通に楽しく遠足をエンジョイしていたのだが、自由時間になって気がついた。
なんてことだ。教え子の内男子2名女子1名が見当たらない。その3人組は学校でもとりわけヤンチャな子供達だった。
いくら点呼を取ってみてもその3人だけが答えない。
おかしい。居ない。そう思って俺は3人を探しに遊園地の横の森へ入って行った。
遊園地の右側はフェンスこそあるものの通り超えれば崖。
行ったとすれば左側の森の方向だ。
獣道のようなものが見えたのでその先に居る可能性を信じ、行くことに。
結果、俺は迷ったらしい。らしいというのも、来たはずの道に印をつけておいたのでそれを辿ってみたのだが崖に通じ、どの方向へ行っても崖、もしくは開けた場所に繋がったのだ。
「なんでこんなことに」
「どこ行ったんだよお前らーー」
と大地に葛藤したが意味はない。
取り敢えず獣道らしき道はそこら中にあったのでそれら全てを辿ってみた。
結果は崖、崖、草原。
もう半場泣きそうになっていた所、疾走したハズの子供達それぞれの声が聞こえた。
俺はすがるような気持ちで声がした方へと走った。だが
いくら走っても声に近付けない。声が大きくならない。
10分程走った。俺は小学生に追いつけなかったのだろうか。それとも幻聴を聴いていたのかそもそもこの出来事自体が夢なのか…。
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