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HiTsUZI1029さんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

夢の中のもうひとりの僕
短編 2024/11/17 21:02 87view

その日僕は部活が終わり家へ帰っていた。
家は山奥で、電灯もなくカーブミラーも濁っていて見えにくい。

その日は霧が濃かった。僕は自転車で帰っていた。
と、急に目の前の山が消えた。視界も真っ白、ほとんど見えない。僕は自転車から降りて自転車を押して進むことにした。手のあたりが湿っていたので気がついた。これは霧だった。

しばらく経った。
突然体に怖気が刺した。筋肉がこわばり皮膚がチクチク、体中がゾワッとした。
周りから見られていて、氷をぶつけられるような感じでとても嫌な感じがした。

周りを見渡しても特にコレと言ったものはなく、ただ取り敢えず霧が濃かった。
そんな中で唯一はっきり見えるものがあった。
あの濁っていて見えにくいカーブミラーだった。ソレだけはハッキリ見えた。いつもは濁って見えないその画面まで…。

何を考えたのかよせばいいのに僕はカーブミラーをまじまじと見た。
その中には、

僕が2人いた。

僕の後ろに体操服ではない、制服を着たもう1人の僕が居た。
僕は焦って後ろを振り向いた。

誰も居ない。

泣きそうになった。急いで自転車に乗り、その先にある橋の向こうの広場で一旦止まり、後ろを見た。
霧が晴れていた。そして、いつも通りの道だった。
戻ってみてカーブミラーを見ようとしたその時だった。

真横で声がした。と同時に酷い頭痛と吐き気に見舞われ、自転車を置いて走ってその場から離れた。

その中で僕の中に生まれた考えがある。

「これは夢だということ。」

夢の中で夢であることを宣言した時何かあると聞いたことがあるが、そんな場合じゃなかった。
僕は叫んだ。

「分かった。これは夢だ。夢だと僕は知っている。」
と。

すると
「ちっ」
という声がし、夢から覚めた。隣に母が居たので聞いてみると、
熱が38度あり、うなされていたと分かった。

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