俺は諦めてその場に座った。
その時だった。
俺の足元の石がガラッと下へ落ちる音がしたのだ。
俺は驚いて後ろへ飛び退いた。
見てみると、前は崖だった。だが今回は今までの崖とは違う。比較的滑らかで、降りやすい。
俺は泥だらけになりながらズザザッと滑るように降りた。
下は道路だった。俺は再び人の手によって作り出されたものに触れることが出来て泣きそうになり、思わず道路にハグをした。
また、その道路は遠足の前に通った道で、遠足の通り道だった。
嬉しくなって俺は満面の笑みで道路を駆け上がった。
そこへ、
行きに乗ってきたバスが通りかかった。
俺は驚いて呆然としていると、バスはそのまま俺のことを無視して坂を下っていこうとしたので、急いで止めて乗せてもらった。
バスの中には小学生、大人が皆居た。
そう。
疾走したはずの3人組も居たのだ。
3人組は俺のことを見ながら笑って手を降っていた。
俺は無性に腹が立ったがなんともやりきれず、そのまま座ってしまった。
学校へ着いてから3人組に聞いてみた所、3人組は捜索中に俺が付けてきた印をことごとく消していたらしい。また、惑わすような獣道を作ったのも3人組だという。
そこで気になったのが最後の「声」だ。
確かに3人の声だったので聞いてみたのだが、「そんなのは知らない。僕達はその森から降りてバスに乗っていた」と言った。声のせいで死んだかもしれなかったので俺はその3人をその時信じなかった。
また、3人組は俺が居ないことを知っておいてバスには俺は乗っていると嘘をつき、そのまま帰ろうとしたらしいのでそのには苛ついた。
俺は3人の宿題を1年間他の生徒の「3倍」に増やしてやった。
これは知り合いの教師の方から聞いた話です。
実際にあったことか信じられないような出来事でしたが、皆無事で良かったです。
途中聞こえた森の中の声は、一体何だったのでしょうか?
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