火男【ひょっとこ】
投稿者:ねこじろう (147)
長編
2024/10/01
07:05
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そしてその前には紺色の着物の裾を捲ったひょっとこが中座し、竹筒で懸命に吹いて火に空気を送っていた。
やがてオカメはひょっとこの傍らまで来ると、骸を横たえる。
すると二人はそれの両手両足を各々掴み、そのまま穴の中に放り込んだ。
そしてそれが燃え上がる炎に焼かれていく様を二人で確認した後、今度は向かい合い楽しそうに踊りだした。
炎の放つ朱色の光を背景に体をくねくねと奇妙に捻りながら踊り続けるオカメとひょっとこ。
その様を見ていると、これから我が身に起こるであろうことが脳裏に浮かび上がり私の背筋は凍りついた。
【了】
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早速のコメントありがとうございます。
━ねこじろう