どうしたのかなと固まっていると、
手の甲のシールを見るなり、血相を変えて言いました。
「あんたなんてもの貼ってるの!!!
こんなの貼っちゃダメでしょ!!!」
いつも優しいおばさんが、鬼のような顔で怒ったのです。
そして指で力強くこすり、シールを消してしまいました。
私は何が何だかわからず、
少し目に涙を浮かべながら呆然としていました。
もしかしたら、体にシールを貼るのが嫌な人だったのかな…
タトゥーとか嫌いな人もいるもんね…
そんなことを思いながら、去っていくおばさんの背中を眺めていました。
「なんだったんだろうね…」
友達も驚いた様子で、私を慰めてくれました。
もう遊ぶ気にもなれず、私たちは帰ることに。
家に帰ると母がいて、「どうしたの?そんな暗い顔して笑」と
言われました。
テレビを見ても、上の空で内容が入ってきません。
夕方のアニメが流れているのを、ただ眺めているばかり。
すると突然、ニュース速報に切り替わりました。
「突然ですが速報です。
過去に販売中止になっていたラーナチョコですが、
再び出回っているとの情報が入りました」
ラーナチョコ…?
「ラーナチョコには水転写シールが封入されており、
非常に危険なシールであるとして、
1992年に販売が中止されていました」
商品画像が映し出されると、
それは私たちが買ったチョコと同じものであることがわかりました。
でも、非常に危険ってどういうことなんだろう…
頭が混乱して、状況が飲み込めません。
どんなシールだったんだろう…
ゾクゾクしました…