これは僕が2年前の冬に、
引っ越しをした時の話です。
僕には妻と小学生になる息子がおり、
田舎の方に住んでいました。
僕が転職することになり、
家族で都会の方へ引っ越すことに。
まだ息が白くなる、寒い冬のことです。
引っ越したのは住宅が建ち並ぶ中に建つ、
夢のマイホーム、二階建ての一軒家です。
無事引っ越しを終え、転職先でも暖かく迎えてもらい、
順風満帆な日々を過ごしていました。
そんなある日、少し不気味な出来事と出会います。
転職先の仕事は、繁忙期になると残業が多く、
帰るのが0時頃になることも多々ありました。
その日も、仕事を終え家に着いたのは深夜の0時前。
僕はバイクが趣味で、通退勤にもそれを利用しています。
いつも通りバイクの音を轟かせながら家に着きました。
すると、
「バシッ!」
という音と共に、向かいの2階の窓が閉まりました。
電気がついており、髪の長い女性がこちらを見て立っていました。
いま思えば、深夜のバイク音がうるさかったのかな思います。
結構な音だったので(バイク好きには耳ざわりのいい音なんですけどね…)。
しかしこの時の僕は、そのことに気づきませんでした。
「なんだよ気味悪いな…」
そう思っただけで特に気にも留めず、普段通りに過ごしました。
この日から、僕がバイクで帰宅するたびに向かいの女性は
「バシッ!」と窓を閉め、こちらを睨みつけてくるように。
あまり関わるとろくな事がないだろうと、無視していました。
それから月日が経ち、季節は夏に。
相変わらず遅く帰った日には、
女性の「バシッ!」という音が聞こえてきますが、
特に変わりない日々を過ごしていました。
悪意のある嫌がらせ女より無自覚騒音撒き散らし男の方が怖い。こんなヤツがうちの隣に引っ越して来たら…嫌だなぁ。関わるとロクなことなさそうだし。