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投稿者:Mine (24)
バタンと反射的にノートPCの画面を閉じた。
するとスピーカーからお経が流れてきて、それに混じって女性のすすり泣きのような声も聞こえてくる。
YさんはノートPCを抱えると急いで玄関を飛び出し、近くのゴミ捨て場に放り込んだ。
既にPCからは何の音もしなかった。
そして足早に部屋に戻り、呼吸を整え一息つき、そこでYさんはようやく思い至った。
もしかして、私が殺しちゃったの?
PC内には大したデータは残って無かったのが不幸中の幸いだったらしい。
それからYさんはお祓いをして当分怯えながら過ごしていたが、案に相違して身の回りで異変は何も起きなかった。
そしてこの一件も記憶から薄れてきた頃、職場で知り合った男性と交際を始め翌年には結婚することとなった。
夢にまでみた結婚生活、しかし幸せの絶頂期にYさんは妊娠中に事故に遭うことになる。
この事故によりお腹の子供は助からず、現在Yさんも身体のある部分を失くしている。
夫とは別れることになった。
「これってやっぱり天罰とか報いとか、そういうのですか?お祓いもしたのに?本当にここまで苦しまなきゃならないほどのことを私はしたのかなぁ……」
Yさんは不服そうに顔を歪めた。
今は実家に戻り両親に支えられながら暮らしている。
そして以前から原因不明の猛烈な倦怠感と体重減少、視力低下に悩まされ日ごとじわじわ進行しているようで本当に怖い、と溜息をついた。
以上が、今回の話の顛末である。
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……最後に。
この話を作成するにあたりもちろんYさんの許可を得ているが一つだけ条件を出してきた。
”投稿したら必ず知らせること”
理由を尋ねると、
「もし私を否定するようなコメントがあれば私の死後、コメント主を私がやられたように呪ってやるから」
冗談かどうかよく分からない事を言って痩せ衰えたYさんは薄く笑った。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。