古賀様と【忌蛇】
投稿者:ねこじろう (147)
そしてあの忌まわしい事件が起こりました。
それは妹が中学生の頃のことです。
ある日彼女は朝から具合が悪いと言って布団から起きれなくなっていました。
母親は最初単なる風邪かと思ったといいます。
でも翌日になってもよくならずむしろ酷くなる一方で、夜中には40度を越える高熱になり布団の中で妹は息も絶え絶えになっていました。
もちろん病院にもかかったし薬も飲んでいました。
だが妹の容態は酷くなるばかりで、終いには彼女は意識を失い瞳を閉じたまま寝たきりなってしまいます。
そしてその時の妹の風体は直視出来ないほど酷いものでした。
衰弱してやせ細った顔や四肢は青紫に変色し、乾ききった皮膚のあちらこちらには鱗のような固いものが浮いてきてます。
父も母も私も、そんな変わり果てぐったりした彼女に対して成す術もなく枕もとでただじっと見守るだけでした。
それでとうとう両親は古賀様に助けを乞います。
彼は険しい顔で厳かに承諾し、
「かつてのお父様の厄災の時と同じく、あなたの家は代々【忌蛇(いみへび)】の怨霊から祟られておる。
娘さんは今忌蛇の怨念に四肢をがんじがらめにされて動けずにおり、このままだとさらにやせ細り最後は呪い殺されるであろう」と言った後、両親に対して次のことを依頼しました。
まず自分の部屋に布団を敷いて、娘さんをそこに寝かせて欲しい。
そして裏山で出来るだけ大きな蛇を生きたまま捕らえ、部屋にまで持ってきて欲しいというもの。
古賀さまこそが((( ;゚Д゚)))
普通の一家がカルト宗教に落ちていく話です
─ねこじろう
解説ありがとございます。カルト宗教がらみのヒトコワ話ですが、心霊的な要素も加味されていて、不気味な怖さにゾクゾクしました。グロテスクなだけではなく、妙にエロティックな雰囲気を醸し出しているところも、カルト宗教らしいですね。一家が崩壊していく様、絶望的なラストに思わず声を出してしまいました。
古賀様の存在が最後まであやふやで不気味な感じを持っていただけたら、作品の目論見としては成功としました。
─ねこじろう