古賀様と【忌蛇】
投稿者:ねこじろう (147)
実家は山裾にある集落内の1軒家であり、裏手に行くと山林が広がっています。
両親は農業を家業にしておりたまに駆除のために蛇を捕獲して処分してましたから、相応の道具はあったようです。
両親は困惑しながらも蛇を捕獲するため、朝から道具を持参し裏山へと入って行きました。
その後古賀様は剥製の牡牛の被り物をして腰に布切れを巻いただけの裸になり自室の祭壇を背に正座すると、横たわる妹に対して一心不乱に祈祷を行ってました。
数日後どうにかこうにか蛇を捕らえることが出来た両親は、捕獲ケージに入れたまま古賀様のところに持っていきます。
それは体長2メートルは優にある大きな蛇でした。
すると牡牛の被り物をした彼は立ち上がると、父親に命じました。
「そのけがわらしい蛇めの首を一刀両断にしてから、胴体だけをここに持ってこい」と。
父親は包丁を持ってきて母親とともに必死に蛇の頭を押さえつけた上、その首を断ち切りました。
そしてすぐにそのまだくねくねと動く胴体を、何とか古賀様に手渡します。
彼はその胴体をムンズと掴むと母に「さあ娘さんの口を開いてあげて下さい」と言います。
言われるままに母は妹の口を無理やり開きました。
すると古賀様は片手に持つ蛇の胴体の切断面を妹の口の真上に持ってきて、そこから漏れ滴るどす黒い血を開いた口の中にポタポタと落とし始めたのです。
すぐに辺りには生臭い匂いが漂いだします。
途中妹は苦し気にむせ返りごほごほと血を吐き、布団や畳のあちこちが蛇のどす黒い血で汚れました。
私たちは震えながらただ事の成り行きを見守るだけです。
古賀さまこそが((( ;゚Д゚)))
普通の一家がカルト宗教に落ちていく話です
─ねこじろう
解説ありがとございます。カルト宗教がらみのヒトコワ話ですが、心霊的な要素も加味されていて、不気味な怖さにゾクゾクしました。グロテスクなだけではなく、妙にエロティックな雰囲気を醸し出しているところも、カルト宗教らしいですね。一家が崩壊していく様、絶望的なラストに思わず声を出してしまいました。
古賀様の存在が最後まであやふやで不気味な感じを持っていただけたら、作品の目論見としては成功としました。
─ねこじろう