【UFO撃墜事件】-女子大生 朽屋 瑠子-
投稿者:kana (210)
「・・・ブラックメン・・・噂には聞いていたが、やつらにやられたとしか思えない・・・こんな、カメラを壊すなんて姑息なことをするのは人間のやり方に思えるし」
「・・・さすがね・・・」
「そう言えばキミは?キミはなぜ記憶を消されていない? まさかキミも・・・」
「私は・・・オジサンが助けてくれたのよ。覚えてないかもしれないけど。あいつらが来た時にすぐに草むらの陰に隠れろ!って・・・だから助かったし記憶も消されなかったの」
「そ、そうか・・・ということは、キミも見たんだよね、UFOとか、ブラックメンとか!
その話、聞かせてくれないか!!」
「シッ!!・・・オジサンも大胆ね。拉致されたその現場でまたUFOの話をする気?」
「あっ、あぁ・・・確かに、危険だな、ここは」
「オジサンいつ帰国するの?できれば記憶がないフリをしたまま、早く帰国した方がいいわ」
「だが・・・」
「今回の事は私が記事を書いて日本に送るわ。それを見て」
「わかった。じゃあ名刺を渡しておくよ・・・記事なんて書けるのかい?」
「えぇ、こう見えても中学・高校と新聞部でしたから」
「それは頼もしい。ぜひ、日本に帰国した際には連絡をくれ。一緒にアメリカが隠しているUFOの秘密を暴こう!!」
「ハイ、デスク!!」
朽屋の機転で無事日本に帰国したヴィンセント三上は、その後すぐに「UFOとキャトルミューティレーション専門のオカルト雑誌『月刊モー』」を立ち上げ、朽屋から届いた驚愕の内容をイラスト図解入りで特集し、一部マニアたちの話題をさらった。
ちなみに朽屋がこの時書いた記事はほぼ創作である。さすがの朽屋もアメリカの機密と思えるものをすべて曝露するわけにもいかなかった。
キャトルミューティレーションについても、一部学生たちが騒ぎだしてSNS上で賑わいを見せたが、牛の遺体はすぐにレッカーでどこかに運ばれた。騒ぎが大きくなると、CM大学から「これは宇宙人の仕業ではなく、自然死だ」とのアナウンスが発表された。
壊れかけた柵の一部を乗り越えファーム外へ逃げた牛が、オグロプレーリードッグの掘った巣穴に足をとられて骨折し、身動きできなくなったまま死に、その死骸の内臓を他の野生動物が食べ、吸血されたという血液は地面に流れて吸収されてしまったのだと説明した。
抜かれた目についても、水分が多く柔らかい眼球のような部分はあっという間に虫や細菌によって分解されてしまうのだと説明した。放射能の有無に関しては全く検知されなかったと一蹴した。
・・・もちろんすべて嘘である。・・・
・・・・・・
再び地下での極秘テストと牛の世話に明け暮れていた朽屋の元に、一人の兵士がやって来た。
「クッチャルコ サンハー イマスカ?」たどたどしい日本語で叫ぶ兵士。
「ハイ! 朽屋 瑠子 ここにおります!」ビシっと敬礼をする朽屋。
「ユー、バージニアへ、トベ」
「イェッサー!・・・・・・バ、バージニアぁ~?」
・・・・・・
kamaです。自分で書いてて一番好き。朽屋瑠子シリーズ第13弾はアメリカの大学に通いつつ、UFOと遭遇するお話です。3連休のお供に、ぜひお楽しみください。ここで重要な出会いがあったりしますね。
ところで、作中「MIB」メン・イン・ブラックが登場しますが、ここではちよっとダサめな「ブラックメン」という呼称を使っています。これはボクが中山市朗先生の代表作『山の牧場』が大好きすぎて毎晩聞いて寝ていて、そのせいでそこに出てくる「これがブラックメンだ!」という少年の目撃例として使われるセリフが頭の中をぐるぐる回って、これはもうMIBではなくブラックメンと呼ぶしかない!!と思って使わせていただきました。
今田美桜で実写化して欲しい
藤井マリーはどうか?
クチヤさん、これ最後、ハルトマン大尉とバーに行った後いい感じになってやってますねぇコレは。
なんか無性に牛乳が飲みたくなった。
↑コメントありがとうございます。実写化とか、夢があっていいですね~~~妄想が膨らみます。
朽屋さんのプライベートに関してはボクは口をはさみません。もう大人ですし、恋愛は自由です。
あと、牛乳おいしそうでしたか?実はラストでもう一回現代に戻して三上と牛乳のみにいくオチも考えてたんですけど、まぁそれはまたの機会にとっておきます。
韓国語の怪談サイトでこちらのお話が取り上げられてましたね。やはり朽屋 瑠子シリーズは海外でも人気です!