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カビゴンと蟹のハーフ2さんによる都市伝説にまつわる怖い話の投稿です

呪の料理本
短編 2025/12/22 20:28 51view

タイトル:のろいの お料理(りょうり)の本(ほん)
むかーしむかーしあるところにお料理(りょうり)が大好(だいす)きな お母(かあ)さんが、古(ふる)い本屋(ほんや)さんで 真(ま)っ黒(くろ)な表紙(ひょうし)の 「お料理(りょうり)の本(ほん)」 を見(み)つけました。
その本(ほん)には、一回(いっかい)食(た)べたら 絶対(ぜったい)に忘(わす)れられないほど 美味(おい)しいお肉(にく)料理(りょうり)の作(つく)り方(かた)が書(か)いてありました。でも、ひとつだけ「約束(やくそく)」があったのです。
【お肉(にく)は、生(い)きている時のように 新(あたら)しくなければ いけません】
お母(かあ)さんが本(ほん)の通(とお)りにお料理(りょうり)を作(つく)ると、お家(うち)の中(なか)に 魔法(まほう)のような いい匂(にお)いが広(ひろ)がりました。
一口(ひとくち)食(た)べたお父(とう)さんは、目(め)を丸(まる)くして言(い)いました。
「おいしい! こんなに おいしいものは はじめてだ! もっと、もっと食(た)べたいよ!」
お父(とう)さんは、毎日(まいにち)毎日(まいにち)「もっと新(あたら)しいお肉(にく)を出(だ)しておくれ」と言(い)うようになりました。

でも、スーパーで買(か)ってきた普通(ふつう)のお肉(にく)では、もうお父(とう)さんは満足(まんぞく)してくれません。
ある夜(よる)、お母(かあ)さんが本(ほん)を開(ひら)くと、真っ白(まっしろ)だったページに、新(あたら)しい絵(え)が浮(う)き上(あ)がってきました。
『一番(いちばん)大好(だいす)きな人(ひと)の、一番(いちばん)歯磨き粉みたいなところを 使(つか)いましょう』
そこには、寝(ね)ている人(ひと)の体(からだ)を 包丁(ほうちょう)で切(き)り取(と)ろうとしている 女(おんな)の人の絵(え)が描(え)いてありました。
「そうか、これが一番(いちばん)新(あたら)しい材料(ざいりょう)なのね……」
お母(かあ)さんはニヤリと笑(わら)って、ピカピカに研(と)いだ包丁(ほうちょう)を持(も)って、お父(とう)さんの寝(ね)ているお部屋(へや)へ入(はい)っていきました。
つぎの日の朝(あさ)。
お家(うち)の中(なか)から、恐(おそ)ろしいほど いい匂(にお)いがしてきました。

近所(きんじょ)の人(ひと)が窓(まど)から中(なか)をのぞいてみると……。
そこには、自分(じぶん)の体(からだ)を焼(や)いて、ムシャムシャと食(た)べている お母(かあ)さんの姿(すがた)がありました。
向(む)かいの席(せき)には、体(からだ)を全部(ぜんぶ)切(き)り取(と)られて「骨(ほね)」だけになったお父(とう)さんが、座(すわ)らされていました。
お母(かあ)さんは自分(じぶん)を食(た)べながら、ニコニコ笑(わら)ってつぶやきました。
「おいしいわ。でも、お肉(にく)が足(た)りなくなっちゃった。次(つぎ)は、だれを材料(ざいりょう)にしましょうか?」
その時(とき)、机(つくえ)の上(うえ)の本(ほん)が、風(かぜ)もないのに パラパラパラ! と勝手(かって)にめくれました。
そして、新(あたら)しく開(ひら)いたページには……。
「次(つぎ)の材料(ざいりょう)は、このお話(はなし)を読(よ)んでいる『あなた』です」
とさめでたしめでたし

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関連タグ: #事故物件#絵画
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