【UFO撃墜事件】-女子大生 朽屋 瑠子-
投稿者:kana (210)
地上からその様子を見ていた基地の大佐が管制官に指示を出した。
「オイ、あのT38の教官にもう少し優しく飛べと伝えてくれないか?いくらカワイイ女子大生が前に乗ってるからって、はしゃぎすぎだろう」
「いえ、大佐、現在のマニューバはその女子大生がやっているそうです」
「はぁぁぁ?どうなってんだ・・・」
機上では教官が着陸指示をだしていた。
「マーベリック、着陸だ。・・・これ以上やったらタロンが空中分解する・・・」
・・・着陸したタロンから、げっそりした教官と、テカテカした朽屋が降りてきたという。
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物語は半年ほど前に遡る。
K女学園の講堂に讃美歌405番「神ともにいまして-God be with you-」が流れる。
クワイヤー(聖歌隊)主導の元、全校生徒が歌う。卒業していく3年生のために。
・・・この日、K女学園3年の朽屋 瑠子と貴澄 頼子は卒業式を迎えた。
法王騎士団団長のルーカ神父もこの日退任し、貴澄頼子を連れイタリアへ帰国することにした。頼子はもともとイタリア人を父に持つハーフで、本名をベアトリーチェと言った。
ルーカ神父はベアトリーチェ=頼子を騎士団の新たな団長にすべく、ローマのsap大学に預けながら騎士の修行をさせるため連れ帰ることにしたのだ。
本来ならば朽屋瑠子もペアで欲しかったのだが、朽屋家は元々日本の組織との縁が強く、裏で騎士団と組織の間で駆け引きがあった結果、朽屋は組織の元に残ることとなった。
3人はルーカ神父が退任記念でいただいた腕時計にオマケとして付いてきたマグカップを分かち合い、再会を約束してそれぞれの道へ進んで行った。
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卒業後、朽屋はペンシルベニア州の酪農農場にいた。赤いギンガムチェックの長袖にデニムのオーバーオールという、いかにもアメリカの田舎娘風の格好で、藁にまみれて牛の世話をしていた。
「いや~カモネギメロン大学って言うから、メロンか長ネギの栽培でもやるのかと思ったら、まさか乳牛の世話とはね~・・・でも楽しいな、牛ちゃんたちの世話」
朽屋は、高校入学直前までお世話になっていたジョン・F・ケネディ特殊戦センター&スクールの司令官ロジャー・スミス大佐の口利きで、CM大学の自然科学を専門とするM科学カレッジ・生物学科へ進学していた。
実はこの生物学科では、表向きの学問とは別に軍の協力の元、オカルト的とも思える研究にも参加していた。そのひとつが、かつてテキサス州に現れた巨大な魔獣「ベヒーモス」についての研究だ。すべての武器を無効化するベヒーモスのバリア能力は米軍がステルスの次に考える新兵器の可能性を示唆していた。
ただ、米軍は常に新兵器の研究と同時に、その兵器を破るための研究も行っている。
これは仮想敵国も同等の技術を常に生み出しているという戦略的思想によるものだ。
つまり、ベヒーモスのバリアを破壊して攻撃する能力、すなわち朽屋 瑠子の撃ちだす魔弾の秘密を解くことが、この生物学科に課せられた裏の研究テーマでもあった。
kamaです。自分で書いてて一番好き。朽屋瑠子シリーズ第13弾はアメリカの大学に通いつつ、UFOと遭遇するお話です。3連休のお供に、ぜひお楽しみください。ここで重要な出会いがあったりしますね。
ところで、作中「MIB」メン・イン・ブラックが登場しますが、ここではちよっとダサめな「ブラックメン」という呼称を使っています。これはボクが中山市朗先生の代表作『山の牧場』が大好きすぎて毎晩聞いて寝ていて、そのせいでそこに出てくる「これがブラックメンだ!」という少年の目撃例として使われるセリフが頭の中をぐるぐる回って、これはもうMIBではなくブラックメンと呼ぶしかない!!と思って使わせていただきました。
今田美桜で実写化して欲しい
藤井マリーはどうか?
クチヤさん、これ最後、ハルトマン大尉とバーに行った後いい感じになってやってますねぇコレは。
なんか無性に牛乳が飲みたくなった。
↑コメントありがとうございます。実写化とか、夢があっていいですね~~~妄想が膨らみます。
朽屋さんのプライベートに関してはボクは口をはさみません。もう大人ですし、恋愛は自由です。
あと、牛乳おいしそうでしたか?実はラストでもう一回現代に戻して三上と牛乳のみにいくオチも考えてたんですけど、まぁそれはまたの機会にとっておきます。
韓国語の怪談サイトでこちらのお話が取り上げられてましたね。やはり朽屋 瑠子シリーズは海外でも人気です!